転移性乳癌に対するゲムシタビンドセタキセルカペシタビン(GD→C)交替療法は、カペシタビン+ドセタキセル→ゲムシタビン(CD→G)交替療法よりも臨床的有益性の点で優れる傾向があるという多施設フェーズ3試験の成績が示された。5月29日から6月2日までオーランドで開催された第45回米国臨床腫瘍学会・年次集会(ASCO2009)で、米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのAndrew D. Seidman氏が発表した。

 転移性乳癌患者に対してGD療法とCD療法はほぼ同等の効果を示すものの、CD併用は有害事象に伴う中止が多いため、GD療法の方が治療成功期間(TTF)が長いことが知られる。こうした知見を背景に、Seidman氏らは、まずGDまたはCDを併用投与し、寛解導入が得られない場合に残りの1剤(それぞれG、C)にクロスオーバーさせる交替療法の意義について検討した。

 対象は、過去に化学療法を受けたことがないか1種類の化学療法しか受けていない転移性乳癌患者。タキサン系抗癌剤を過去6カ月以内に投与された患者は除外したが、アントラサイクリン系抗癌剤やホルモン療法については制約を設けなかった。

 試験は、被験者を「GD→C」群と「CD→G」群に無作為に割り付けるオープンラベル試験として実施。治療は21日を1サイクルとし、GD→C群ではまず寛解導入療法としてゲムシタビン1000mg/m2を各サイクルの1日目と8日目、ドセタキセル75mg/m2を1日目に投与し、増悪を認めた場合にカペシタビン単剤に切り替えて1000mg/m2を各サイクルの1日目〜14日目に1日2回投与した。

 CD→G群では、寛解導入療法としてドセタキセル75mg/m2を各サイクルの1日目、カペシタビン1000mg/m2を1日目〜14日目まで1日2回投与し、増悪を認めた場合にはゲムシタビン単剤に切り替えて1000mg/m2を1日目と8日目に投与した。

 その結果、寛解導入に用いたGD療法とCD療法については(被験者数はそれぞれ239人と236人)、生存期間中央値(23.0カ月、23.3カ月)、奏効率(72%、78%)、無増悪期間中央値(9.3カ月、8.9カ月)ともに差はみられなかった。

 しかし、副作用については、CD群でグレード3/4の好中球減少、白血球減少、血小板数、手足症候群の頻度が有意に高かった。その結果、有害事象による脱落例はCD群(67人)の方がGD群(43人)よりも有意に多かった(p=0.009)。

 GD→C療法とCD→G療法の全体の比較では、無増悪期間中央値はそれぞれ14.3カ月、9.2カ月であり、有意差はないもののGD→C療法の方が臨床的有益性に優れる傾向が認められた(p=0.093)。

 以上のデータから、Seidman氏は、「転移性乳癌に対するGD療法とCD療法は有効性の点では同等だが、CD療法の方が副作用のため脱落が多いことが改めて裏づけられた。GD療法から増悪時にカペシタビンに切り替えるGD→C交替療法の方がCD→G交替療法よりも優れる傾向が認められたことからも、GD→Cという順序が好ましいように思われる」と結論した。