未治療の局所進行もしくは転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)において、ソラフェニブエルロチニブの併用は安全で、抗腫瘍効果によって進行が抑制されることがフェーズ2試験で明らかになった。5月29日から6月2日にオーランドで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、オランダVU University Medical CenterのJ. S. Lind氏らが発表した。

 試験には、化学療法による治療経験がない切除不能ステージ3B/4のNSCLC 50人が登録された。このうち女性が22人、ステージ3Bが13人、ステージ4が37人、腺癌が36人、喫煙歴のある人が39人であった。またEGFR 変異は10人に認められた。

 ソラフェニブ(400 mgを1日2回)とエルロチニブ(150mg/日)を病勢進行もしくは許容できない毒性発現まで投与継続した。フォローアップ期間の中央値は6カ月で、10人は治療継続中だが、26人は死亡した。

 主要評価項目である6週間の時点での無増悪率(NPR)は74%であった。PRが14人、SDが23人、PDが8人、NEが5人で、奏効率は28%、無増悪期間(TTP)中央値は5.0カ月 (95%信頼区間3.2-6.8)、全生存期間中央値は12.0カ月(同5.8-18.2)だった。またTTPは腺癌患者では5.5カ月であるのに対し、非腺癌患者では3.0カ月と有意な違いがあった(p=0.04)。

 有害事象は多くが軽度から中等度であり、主な有害事象は、ざ瘡様発疹(46%)、食欲不振(34%)、下痢(84%)、倦怠感(54%)、手足症候群(60%)、吐き気(42%)であった。

 さらに試験では、開始日と7日目、21日目に、末梢循環血液中血管内皮細胞(CEC)とVEGFを測定し、治療後はどちらも増加していたが、CD133+ HPCは治療によって減少した。また18FDG-PETで集積(SUV)を見たところ、奏効性が見られた患者では、見られなかった患者に比べて減少しており(p=0.04)、腫瘍の活性が低下していることが示されたが、TTPやOSとの関連性はなかった。

 以上のことから、化学療法による治療歴のないステージ3B/4のNSCLC患者において、ソラフェニブとエルロチニブの併用は安全であり、臨床的に有意な抗腫瘍効果が認められたとLind氏は述べた。

 また独Bayer社は6月1日、3次治療以降の治療として、NSCLC患者を対象としたソラフェニブの国際的フェーズ3試験を開始したことを明らかにした。試験はMISSION (Monotherapy administration of Sorafenib in patients with non-small cell lung cancer)と名付けられ、登録予定人数は850人で、北米、南米、欧州、アフリカ、日本を含むアジア太平洋地域の120施設以上が参加する。