局所進行または再発/転移性頭頸部癌ドセタキセルシスプラチンS-1の併用療法(TPS療法)が有効であることがわが国で行われたフェーズ1試験の結果、明らかとなった。化学療法及びその後の化学放射線療法で高い効果を示した。

 頭頸部癌にドセタキセル、シスプラチン、5FUを投与し(TPF療法)、その後化学放射線療法を行うことが標準方法となりつつある。TPS療法は5FUに代わって経口のS-1を利用するため、患者にとってよりQOLの高い方法として注目される。成果は5月29日から6月2日にオーランドで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、国立がんセンター東病院の田原信氏によって発表された。

 フェーズ1臨床試験は3週おきか4週おきに1日目にドセタキセルとシスプラチン、1日目から14日目までS-1を投与することで行われた。シスプラチンの投与量は70mg/m2に固定され、ドセタキセルとS-1の量、サイクル数を変えた6レベルで実施された。レベル1はドセタキセルが50mg/m2、S-1が40mg/m2/日で4サイクル(4人)、レベル2はドセタキセルが60mg/m2、S-1が40mg/m2/日で4サイクル(3人)、レベル3がドセタキセルが60mg/m2、S-1が60mg/m2/日で4サイクル(3人)、レベル4がドセタキセルが60mg/m2、S-1が80mg/m2/日で4サイクル(12人)、レベル5がドセタキセルが70mg/m2、S-1が80mg/m2/日で3サイクル(6人)、レベル6がドセタキセルが70mg/m2、S-1が60mg/m2/日で3サイクル(12人)だった。

 レベル4までで血液学的毒性でグレード4が出現したのは、レベル4で2人のみ(好中球減少症)でグレード4の非血液学的な毒性は見出されなかった。レベル5では、全患者にグレード4の好中球減少症が見られたが、レベル6ではグレード4の好中球減少症は4人だけだった。用量制限毒性はレベル5で2人、レベル6で2人となった。以上の結果からフェーズ2の推奨用量はレベル6となった。

 TPS療法の抗腫瘍効果は、全40人の患者で完全奏効(CR)が6人、部分奏効(PR)が22人、安定状態(SD)が10人で、奏効率は70%(95%信頼区間59.1-60.8)だった。観察期間の中央値が19カ月で、1年間無増悪生存率は64%、1年間全生存率は85%だった。

 29人がシスプラチンを利用(1人のみ5FUとシスプラチン)した化学放射線療法を受け、CRが23人、PRが3人、増悪(PD)が3人で、CR率は79%だった。