リツキシマブ単剤療法でコントロールできた濾胞性リンパ腫(FL)患者に対して、同じくリツキシマブによる維持療法を行うことは、長期的な寛解維持に有効であるとの結果が明らかになった。5月29日から6月2日までオーランドで開催された第45回米国臨床腫瘍学会・年次集会(ASCO2009)で、試験グループのSwiss Group for Clinical Cancer Researchを代表して、スイスOncology Institute of Southern SwitzerlandのM. E. Ghielmini氏が発表した。

 これは、スイスで実施されたオープンラベル多施設試験「SAKK 35/98」試験の結果だ。この試験では、202人のFL患者に寛解導入のためにリツキシマブ375mg/m2を週1回ずつ計4回投与し、その結果、良好なコントロール(CR、PRおよびSD)が得られた151人のみを対象として観察群と維持療法群に無作為に分けた。観察群には投薬を行わず、維持療法群にはリツキシマブ375mg/m2を2カ月毎に4回投与して、その後は経過を最低5年間観察した。

 長期観察(観察期間の中央値9.4年)の結果、無病生存率は一貫して維持療法群の方が観察群よりも高く(p=0.0007)、維持療法群は8年後も25%が寛解を維持していた(観察群は約4%)。また、寛解導入時に奏効が得られた例(CR/PR)に限れば、8年後に35%が寛解を維持しており、化学療法を初めて受けた奏効例では8年後に45%が寛解を維持していた。

 長期的な寛解維持に影響を及ぼす予後因子について多変量Cox回帰分析で評価したところ、有意だったのはリツキシマブ維持療法のみで(ハザード比0.6、p=0.007)、過去の化学療法の有無、疾患の病期、Fc受容体RIIIAの158位の表現型(VV型か否か)などはいずれも有意な影響を及ぼさなかった。

 安全性の点でも、維持療法による長期毒性の増加は認められなかった。

 以上の結果から、Ghielmini氏は、「FL患者に対する寛解導入後のリツキシマブ維持療法は、以前の化学療法の有無、病期、Fc受容体の表現型に関わらず、無病生存率や寛解維持を向上させる」と結論づけた。

 このSAKK 35/98試験の成績を受けて、Ghielmini氏らは現在、寛解導入後のリツキシマブの維持療法を今回と同じく2カ月毎に4回行う「短期維持療法」群と、再発時まで2カ月毎の投与を続ける「長期維持療法」群を比較するSAKK 35/03試験を実施している(被験者登録は2007年11月に終了。今回のASCO2009で安全性について発表)。