カペシタビンビノレルビントラスツズマブの3剤併用は、HER2陽性転移性乳癌の生存期間を延長させ、副作用として脱毛が見られなかったことが分かった。Mayo Clinicの研究者らが行ったフェーズ2試験で明らかになった。詳細な結果は5月末に開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表される。

 試験ではカペシタビン825mg/m2を1日目〜14日目に経口投与し、ビノレルビン25mg/m2を3週置きに1日目と8日目に静注、トラスツズマブを1日目と1週間目に8mg/kgを静注し、それ以降は3週置きに6mg/kgを投与した。

 評価可能であった転移性乳癌45人のうち、30人(67%)で腫瘍サイズが30%以上縮小し、26人(58%)の患者では部分奏効があり、4人(9%)では完全奏効が認められた。無増悪生存期間の中央値は11.3カ月、生存期間中央値は27.2カ月であった。「転移性乳癌における生存期間はおよそ2年だが、この治療によって約27カ月と延長した」とMayo ClinicのWinston Tan氏は指摘した。

 奏効性が認められた患者の80%は、アントラサイクリン系製剤やパクリタキセルなどで治療を受けた患者であり、およそ半分の患者は術後補助化学療法もしくは転移性の治療として、トラスツズマブの治療を受けていたという。

 安全性については、グレード3の好中球減少が61%、倦怠感が13%、皮膚反応が11%であったが、2剤併用で見られる程度であり、忍容性は認められるとしている。また、転移性乳癌の治療に使われるパクリタキセルやドセタキセルでは脱毛を生じるが、この3剤併用では脱毛が見られなかった。

 Tan氏は、「このレジメンは治癒させるものではないが、従来の一般的なレジメンに比べて、患者のQOLを改善する」とし、「この結果を検証するには、標準的な2剤併用と比較するフェーズ3試験を行うべきである」と述べている。