ステージIIの大腸癌では、遺伝子検査Oncotype DX」を利用した腫瘍組織の遺伝子の発現量から再発リスクが予測できることが、米国と英国の研究で明らかになった。来年2010年にも実用化される見込みだ。研究結果の詳細は、5月末に開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表される。

 Oncotype DXは、特定の遺伝子の発現量から、癌の再発リスクをスコア化する遺伝子検査で、このスコアは病理所見とともに使うことで、術後の化学療法を検討する上で役立つとされている。乳癌においては、21種類の遺伝子の発現量から、再発リスクを予測する遺伝子検査としてすでに実用化している。

 研究グループはNational Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP) とCleveland Clinicの計4つの試験に参加したステージIIの大腸癌患者1851人において、761の遺伝子を解析し、癌再発や化学療法の奏効性を予測する可能性のある18種類の遺伝子を検出した。

 次にステージIIの術後補助化学療法(5-FU+LV)を検討したQUASAR試験の1436人において、この18種類の遺伝子の発現を定量化した。その結果、Oncotype DXによる再発スコアは再発リスクならびに無病生存、全生存との関連性が確認され、再発スコアはステージIIの術後再発リスクの独立した予測因子であると結論づけている。

 術後補助化学療法は再発を抑制し、生存期間を延長させるが、どの患者に有効で、いかに不必要な投与による副作用を避けて安全な治療が行えるかは課題であった。Oxford大学のDavid Kerr氏は、「この検査は医師に重要な臨床的情報を与え、適切な治療を、適切な時期に、適切な患者を選んで行うことを可能にするだろう」と述べている。