米Mayo Clinicは5月18日、悪性の分化型甲状腺癌患者にpazopanibを投与した臨床試験で、37人中3分の2の患者で、癌の成長がとまるか、あるいは素早い縮小を示したと発表した。詳細は今月末から開催される米国臨床腫瘍学会ASCO)で報告される。

 pazopanibは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、c-kitおよびRetなどのチロシンキナーゼを阻害する薬剤で、現在、進行性の腎細胞癌卵巣癌などでも開発が進められている。

 同試験では、参加した患者37人中、およそ3分の1に当たる患者に対して、pazopanibが劇的な有効性を示しており、さらに3分の1の患者で病状が安定するか腫瘍の縮小がみられた。だが、残りの3分の1は投与による効果は得られなかった。

 腫瘍内科医でNCI(米国立癌研究所)多施設臨床試験センター長のKeith Bible医師は、甲状腺癌に対しては、これまで標準治療も含めて様々な治療が行われてきたが、pazopanib投与によってこれまでにないほどの著しい効果が多くの患者でみられたと述べている。

 研究者らによると、試験に参加したすべての患者は肺への転移があり、半数はリンパ節、そして39%が骨への浸潤がみられる成長の早いタイプの癌で、治療データから、同剤が将来的には有望な治療となることが期待されている。

 試験開始から1年以上が経過しようとしている現在においても有効性を維持している患者がいることが示される一方で、全生存率に関する有効性は判明しておらず、より明確な効果の確立には時間を要するとBible医師は強調している。

 Mayo clinicの研究者らは、放射性ヨウ素に反応しない髄様性タイプや最も攻撃的な未分化型の甲状腺癌に対するpazopanibの他の2つの試験も行っている。

 また、pazopanibの正確な有効性とリスクをさらに評価するため、進行性分化型の甲状腺癌患者を対象とした大規模無作為化コントロール臨床試験を計画しているとBible医師は述べている。