高齢者の高悪性度軟部肉腫に関する治療成績の解析から、良好な予後を得るためには適切な切除が重要であることが示された。5月14日から17日に福岡市で開催された日本整形外科学会で、岡山大学生体機能再生・再建学の米田泰史氏が発表した。

 今回の調査は、骨軟部肉腫治療研究会(JMOG)参加施設を対象に、JMOGで治療を受けた70歳以上の高悪性度軟部肉腫に対する治療内容と予後を調査したもの。JMOG参加施設に調査協力の依頼を行い、4施設(大阪府立成人病センター、名古屋大学、国立がんセンター中央病院、杏林大学)の協力を得て行った。

 解析対象となったのは、初回手術後1年以上経過した113人。初診時年齢の中央値は75歳であり、男性63人、女性50人であった。経過観察機関の中央値は38カ月。適切なマージンを持って切除できていた患者数は84人。術後の放射線治療を受けていたのは28人、術後の化学療法を受けていた患者は5人だった。

 解析の結果、無転移5年生存率は62%だった。局所再発が予後不良因子となっていた。局所再発のリスク因子としては、適切なマージンが取れていない場合であった。適切なマージンがない場合に、術後の放射線治療を受けた群と受けていない群で再発に関して解析したところ、有意差はないものの、術後の放射線治療を受けた群で再発が少ない傾向がみられた(p=0.070)。

 これらの結果から米田氏は、高齢者であっても、適切な切除が局所コントロール、ひいては生命予後に需要と結論している。また、適切なマージンを取れない場合には、術後の放射線照射が局所コントロールに有効と考えられるとした。

 適切な切除を行えるのは、骨軟部肉腫の専門施設であることからも、米田氏は「専門施設で治療すれば良好な成績が期待できる」とまとめた。