小児腫瘍グループ(COG)は、ハイリスク神経芽細胞種に対して行った抗GD2抗体による免疫療法のフェーズ3臨床試験(ANBL0032)の結果について、再発リスクが減少し、全生存率が20%改善したと発表した。今月末から始まる第45回米国臨床腫瘍学会ASCO)の開催に先駆けて行われたPress Castで概要が明らかになった。

 ハイリスク神経芽細胞腫に対する標準治療は、手術を含め、幹細胞救済による強化化学療法や放射線療法などが行われるが、患者の生存率はわずか30%だ。

 同フェーズ3試験では、神経芽細胞の表面に発現するGD2という糖脂質と結合して、異なるタイプの免疫細胞を誘発することで、癌を攻撃する抗体ch14.18による免疫療法の評価を行った。

 試験で対象となったのは、新たに神経芽細胞腫と診断され、導入化学療法や幹細胞救済治療を受け、CR(完全寛解)あるいはPR(部分奏効)に達したハイリスク患者226人。

 試験では対象者を、標準治療である13シスレチノイン酸(RA)を6サイクル行う群(113人)と、13シスレチノイン酸に免疫治療を併用して6サイクル行う群(113人)に無作為に割り付け、無症候生存率や全生存率を比較した。

 フォーローアップの中央値は2.1年。試験の結果、2年後の無症候生存率は、免疫治療群で66%±5%(p値=0.0115)、標準治療群では46%±5%と、免疫治療群における有効性が有意に高かった。また、予備の全生存率に関しても、免疫治療群が86.4%±4%(p値=0.0223)に対し、標準治療群では75%±5%と免疫治療群における有効性が有意に高かったことが示された。

 中間解析で、抗GD2抗体 ch14.18を併用した免疫治療群における高い有効性が早い段階で示されたたことで、無作為化は中止となった。

 免疫治療群における主な副作用は、痛みが21%、血管漏出症候群が7.3%、アレルギー反応が7.2%などだった。

 同試験の筆頭執筆者でUniversity of California-San Diego Medical Center小児血液腫瘍医のAlice L. Yu 医師は、ハイリスクの神経芽細胞腫においては、積極的な治療を行っても治療前の状態に戻ったり、多くの患者が生存していないことを強調。同時に、神経芽細胞腫に対する治療法の選択肢が新たに広がることへの感動を示しながら、同免疫療法が、さらに多くの小児に有効な治療となることを願っていると述べている。

 同試験結果の詳細については、6月2日に開催されるASCOの口述セッションで発表される予定だ。