治癒切除不能進行/再発大腸癌に対して、実地診療でもベバシズマブが有効であることが確かめられた。北海道を中心とした17施設での投与された結果をレトロスペクティブに解析した結果、明らかとなった。成果は5月7日から9日に札幌市で開催された日本消化器病学会総会で、北海道消化器癌化学療法研究会を代表して北海道大学消化器内科学の結城敏志氏によって発表された。

 研究グループは2007年6月から2008年10月までにベバシズマブの投与を開始した切除不能進行再発大腸癌患者を対象に、有効性と安全性を調べた。全症例数は212人で1次治療として投与されたのが88人、2次治療として投与されたのが73人、3次治療以降で投与されたのが51人だった。併用されたレジメンは、mFOLFOX6が最も多く45%に当たる95人だった。次いでFOLFIRIが34%に当たる73人だった。

 全症例における奏効率は完全奏効(CR)が4人、部分奏効(PR)が74人、安定状態(SD)が102人で、奏効率は36.8%(95%信頼区間30.3-43.3)CR、PR、SDを加えた疾患制御率は84.9%となった。治療ライン別の奏効率は1次治療が60.2%、2次治療が27.4%、3次治療以降が9.8%だった。観察期間中央値が190日(29-582)で、無増悪生存期間(PFS)中央値は8.1カ月だった。治療ライン別のPFS中央値は1次治療が13.1カ月、2次治療が7.5カ月、3次治療以降が6.0カ月だった。有効性については全体、治療ライン別でも既存の報告とほぼ同等だった。

 ベバシズマブと関連の深い副作用については、高血圧が54.2%、血栓症が3.8%、蛋白尿が29.2%、創傷合併症(非感染)が1.9%、消化管穿孔が1.4%、出血が30.2%で、高血圧を除いては既存の海外の報告と同等だった。高血圧は海外での報告では20%から30%だったのに対し、高くなったが、この理由については元々高血圧の患者が多く含まれていたことなどによるという。