ゲムシタビン、S-1が無効となった膵癌患者への化学療法として、ゲムシタビンオキサリプラチンの併用(GEMOX療法)が選択肢として考えられることが明らかとなった。自主臨床試験の結果、奏効率は0%だったものの安定状態(SD)を含めた疾患制御率は59%と低くないことが示されたためだ。成果は5月7日から9日に札幌市で開催された日本消化器病学会総会で、東京大学医学部附属病院消化器内科の山本恵介氏によって発表された。

 研究グループは、2006年6月から2008年9月までにGEMOX療法を導入できた切除不能・術後再発膵癌22人の治療成績、安全性、予後因子について検討を行った。GEMOX療法は28日間を1サイクルとして、1日目と15日目にゲムシタビン1000mg/m2とオキサリプラチン85mg/m2を投与した。治療効果は2サイクルごとにCTによるRECIST評価で行った。22人の患者の年齢中央値は65.5歳(46-83)で、PS0が4人、PS1が16人、PS2が2人だった。また、局所進行患者が2人、遠隔転移が16人、術後再発が4人だった。先行化学療法はゲムシタビン、S-1併用を受けた患者が18人、ゲムシタビンの後S-1交代療法を受けた患者が4人だった。

 投与サイクル数中央値は3(1-12)で、22人中20人で治療効果判定が可能だった。完全奏効(CR)、部分奏効(PR)ともなく、奏効率は0%だったが、SDが13人に認められ疾患制御率は59.1%だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は2.7カ月(95%信頼区間 1.5-3.8)、全生存期間(OS)中央値は7.8カ月(2.8-11.7)となった。予後因子としては肝転移のない患者(8人)の方が、肝転移があった患者(14人)よりも、PFS、OSともに良かった。なお、後治療が22人中10人で行われ、イリノテカン投与により、2人が部分奏効(PR)となった。

 有害事象は血液学的毒性でグレード3/4のものは好中球減少3人(14%)、血小板減少1人(5%)、貧血2人(9%)。非血液学的毒性でグレード3/4のものは悪心/嘔吐1人(5%)、食欲不振5人(23%)、下痢1人(5%)、神経障害(感覚性)が3人(14%)だった。副作用により中止したのは2人で、グレード3の神経障害によるもの。神経障害の頻度は、3サイクル以下は14人中2人で14%だったが、4サイクル以上の8人では6人に出現し75%となった。