骨転移は、それに伴う合併症が多く、また疼痛コントロールも困難で、予後が思わしくないことが広く知られている。これに対し、経皮的骨形成術を施行したところ、疼痛の軽減に有用であったと、広島大学分子病態制御内科学の平松憲氏が第95回日本消化器病学会総会で発表した。

 対象は、疼痛やしびれのある肝癌骨転移患者13人22病変。骨転移の部位は仙椎6人、胸椎4人、腰椎4人、腸骨3人など。疼痛コントロールのために11人が放射線治療を受けており、9人が鎮痛薬を内服していたが、いずれもコントロール困難だった。13人に対し、CTガイド下に穿刺針を骨病変の中心部に進め、骨セメントを注入する経皮的骨形成術を行った。手術後、治療効果を判定した。

 その結果、11人(85%)で疼痛の消失または軽減が認められた。5人(56%)で、使用していた鎮痛薬の中止または減量が可能だった。症状の再発または増悪までの平均期間は、完全に疼痛が消失した5人で17週間、疼痛が軽減した6人で4週間だった。術後合併症としては発熱が7人、吐き気が1人にみられたが、重篤なものはなかった。疼痛の尺度であるVASスコアは治療前後で有意に低下していた(p<0.01)。

 平松氏は「治療後生存期間は平均5カ月で、予後の改善効果は認められなかったが、除痛効果は優れており、患者のQOL改善が期待できる」と強調した。口演セッションの司会を務めた札幌厚生病院消化器科の大村卓味氏は「治療困難な骨転移に対する有望な方法と思われる。保険適応が可能になるよう、研究を今後も継続してほしい」と述べた。