総合健診センター受診者の約1万5000人のデータを前向きに追跡調査した結果、空腹時高血糖大腸癌の独立した有意な危険因子であることが分かった。京都府立医科大学内分泌免疫内科の濱口真英氏が、第95回日本消化器病学会総会で発表した。

 対象は、2003年から2007年に朝日大学村上記念病院総合健診センターを受診し、追跡調査についてインフォームドコンセントが得られた1万5087人(男性9168人、女性5919人)。このうち、悪性腫瘍の既往を持つ300人を除外し、前向きに追跡した。

 受診後1年以内に新たに何らかの悪性腫瘍が診断された場合、健診成績と癌との関連を検討した。生活習慣の項目は、飲酒量(純エタノール換算で平均1日20g以上飲むかどうか)、喫煙の有無、運動習慣の有無、コーヒー摂取量(毎日1杯以上飲むかどうか)で、健診時にアンケートしたものを用いた。

 1年以内に新たに悪性腫瘍が診断されたのは171人(男性124人、女性47人)だった。胃癌が最も多く46人、次いで大腸癌39人。膵臓癌4人、肝細胞癌、胆嚢癌、食道癌がそれぞれ3人などだった。

 生活習慣と胃癌の関係を調べたところ、喫煙(p=0.007)、飲酒(p=0.005)は明らかな関連があった。大腸癌についても、喫煙(p=0.036)、飲酒(p=0.026)は明らかな関連があった。さらに、メタボリックシンドロームに関する項目について検討したところ、空腹時高血糖は胃癌(p=0.012)、大腸癌(p=0.052)と明らかな相関があった。多変量解析でも、空腹時高血糖はオッズ比2.04(95%信頼区間:1.00-4.16)で、大腸癌の独立した危険因子であることが示された。

 濱口氏は「いわゆる人間ドックの受診者なので、塩分や糖分の量など、食事の細かい内容まで調べることはできなかった。ただ、以前から糖尿病が大腸癌の危険因子だという報告が散見されている。今回のわれわれの研究結果は、こうした従来の報告を裏付けるものとなった」とまとめた。

訂正:
第2段落中「京都府立医科大学総合健診センター」とありましたが、正しくは「朝日大学村上記念病院総合健診センター」でした。