米Genentech社は5月5日、米食品医薬品局(FDA)が、最初の治療の後に進行がみられたグリオブラストーマの患者へのベバシズマブ適用を承認したと発表した。同社は2008年11月に適応拡大を申請、FDAは迅速承認のための審査を行ってきた。

 10年あまりの間、グリオブラストーマに対する新たな治療は承認されておらず、この病気に対する治療の進歩はほとんどなかった。最初に化学療法と放射線治療を受けた患者の90%超が再発を経験し、再発した患者に有効な治療はほとんどないため、生存期間の中央値は6カ月に留まる。ベバシズマブはそれらの患者に新たな選択肢を提供する。

 グリオブラストーマに対するベバシズマブの有効性は、BRAINと名付けられた臨床試験(AVF3708g試験)やNCI試験で示されているが、現在のところ、病気に関連する症状の軽減または生存期間延長を示す無作為化試験のデータはない。

 迅速承認は主にBRAIN試験の結果に基づく。これは、オープンラベルの多施設フェーズ2試験で、比較試験の設計にはなっていなかった。

 テモゾロミドと放射線療法による最初の治療後に病気が進行した患者167人を登録し、ベバシズマブ単剤投与(85人)、またはベバシズマブとイリノテカン併用(82人)のいずれかに無作為に割り付けた。

 主要エンドポイントは客観的奏効率とし、MRIにより腫瘍反応を評価した。提出したデータをFDAが分析した結果、ベバシズマブ単剤群では26%(95%信頼区間17.0-36.1)に腫瘍反応が見られた。うち約半数で、腫瘍が縮小した状態が4.2カ月(3.0-5.7)以上継続したという。

 ベバシズマブ単剤群の患者の年齢の中央値は54歳、32%が女性だった。81%が初回再発患者で、全身状態を評価するKarnofskyスケール(100が最も良い状態を示す)は90-100が45%、70-80が55%だった。

 有害事象は、ベバシズマブを他の固形癌に投与した臨床試験で見られたと同様だった。比較的多く見られたのは、疲労(45%)、頭痛(37%)、高血圧(30%)、下痢(21%)、鼻血(19%)など。なお、ベバシズマブ単剤群の患者2人の死亡は、有害事象関連である可能性が示唆されている。

 同様の適応拡大申請は欧州でも2008年12月に提出されている。同社によると、新たにグリオブラストーマと診断された患者にベバシズマブを適用するフェーズ3試験の患者登録がまもなく開始される予定だ。


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