マルチキナーゼ阻害剤ソラフェニブが、甲状腺髄様癌に有効である可能性が明らかになった。米国立癌研究所の資金によって実施されたフェーズ2臨床試験の結果、示されたもの。成果は4月18日から22日にデンバーで開催された米国癌研究会議AACR)で米The Ohio State UniversityElaine T.Lam氏によって発表された。

 フェーズ2臨床試験の主要評価項目は、進行転移性の遺伝性甲状腺髄様癌患者(5人)と散発性甲状腺髄様癌患者(16人)に対する奏効率。副次評価項目は、副作用、臨床効果と血清腫瘍マーカー、FDP-PET、DCE-MRIとの一致度、RETの遺伝子型だった。甲状腺髄様癌では遺伝性の癌の95%、散発性の癌の25%にRET遺伝子の変異が見つかる。

 フェーズ2試験で、患者はソラフェニブを連日1日2回400mgを経口投与された。

 試験の結果、全体としては部分奏効(PR)と6カ月以上の持続的な安定状態(SD)を達成した率は70%で、25%以上カルシトニンが減少した率は65%、25%以上CEAが低下した率は45%だった。

 遺伝性甲状腺髄様癌患者は1人が部分奏効(PR)、3人が安定状態(SD)で、そのうち2人はSDが6カ月以上継続した。散発性甲状腺髄様癌患者は1人がPR、14人がSDで、10人が6カ月以上SDが続いた。

 グレード3の副作用は8人の患者で起こり、高血圧2人、手足症候群3人、関節痛1人、低ナトリウム血症1人、血小板減少症1人だった。50%以上の頻度で出現したグレード1/2の副作用は、顔面紅潮、下痢、体重減少、脱毛、手足症候群、発疹、高血圧、口痛、白血球減少症低カルシウム血症、低リン酸血症、低ナトリウム血症だった。

 16人の散発性甲状腺髄様癌患者のうち12人の患者でRET遺伝子の型判別ができ、12人中9人がM918T変異で、1人はC634R変異があった。2人は変異がなかった。