ヒストンデアセチラーゼ阻害剤vorinostatパクリタキセルベバシズマブと併用することが転移性乳癌に有効である可能性が示された。フェーズ1/2試験の結果明らかになったもの。成果は4月18日から22日にデンバーで開催された米国癌研究会議AACR)で米Ohio State UniversityB Ramaswamy氏によって発表された。

 臨床試験は、全身状態の良い(PS0、1)の測定可能病変を持つ、化学療法未治療の転移性乳癌患者を対象に行われた。フェーズ1は、28日間を1サイクルとしてパクリタキセル90mg/m2を2日目、9日目、16日目に投与し、ベバシズマブ10mg/kgを2日目と16日目に投与し、vorinostatは200mg(3人)か300mg(3人)を1日2回、パクリタキセル投与の前日、当日、翌日に投与することとした。

 フェーズ1として行われた200mg群の3人、300mgの最初の3人で用量制限毒性は見られずフェーズ2のvorinostatの投与量は300mgの1日2回投与となった。フェーズ2はフェーズ1と同じスケジュールでvorinostatの投与量は300mgで行われた。

 フェーズ2には47人(フェーズ1から移行の3人を含む)が登録され、不適格2人、評価不能5人を除く40人が効果の評価が可能だった。評価の結果、完全奏効(CR)が2人、部分奏効(PR)が22人で、奏効率は53%(24人/不適格2人をのぞく45人)だった。12週以上の安定状態(SD)となった患者が11人(25%)で、24週以上SDとなった患者も5人いた。腫瘍の増悪までの時間(TTP)の中央値は13.8カ月(95%信頼区間 10.8-14.7)だった。毒性はパクリタキセルとベバシズマブだけを投与した場合と同程度だった。

 2人の患者で腫瘍のバイオプシーと血液の採取が行われ、vorinostatがHsp90を阻害しAKTのたんぱく質発現を低下させている可能性が示され、パクリタキセルとベバシズマブの併用効果を高めていることが示唆された。