経口MAPmitogen activated protein)キナーゼ、MEK-1/2阻害剤であるAZD6244進行胆道癌治療薬として有望である可能性が明らかとなった。フェーズ2臨床試験で高い効果と忍容性が確認された。成果は4月18日から22日にデンバーで開催された米国癌研究会議AACR)で米The Ohio State UniversityTanios Bekaii-saab氏によって発表された。

 フェーズ2臨床試験は、進行胆道癌患者を対象に4施設で行われた。患者は28日を1サイクルとして、1日目から26日目までAZD6244の100mgを1日2回経口で投与された。主要評価項目は、RECIST評価による奏効率だった。すべての患者で、試験登録前に組織採取が行われた。リン酸化ERKとAKTの測定は免疫組織染色法で行われ、BRAFまたはRASを活性化する遺伝子変異がないか調べられた。臨床試験の、登録患者数は29人で年齢中央値は55.6歳だった。1人の患者は、登録基準外であることが判明した。26人の患者が奏効率について判定可能で、28人が毒性と生存について評価可能だった。39%の患者が1つの前治療を受けていた。

 2009年1月15日までで25人の患者がRECISTによる抗腫瘍効果と生存期間について評価が可能で、完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が2人、安定状態(SD)が17人で、5人が増悪(PD)だった。奏効率は12%。16週間を超えるSDの11人を含めた疾患制御率は56%となった。腫瘍の増殖制御が認められた患者では体重の回復が認められた。無増悪生存期間中央値は5.4カ月で、全生存期間中央値はまだ到達していない。

 毒性はほとんどがグレード1か2で軽かった。発疹、下痢が多く見られた副作用だった。グレード3の副作用は吐き気が1人、下痢が3人、嘔吐が1人、グレード4の副作用は1人で深部静脈血栓症だった。

 リン酸化ERKとAKTの測定が可能であった患者のうち、2人を除いて、リン酸化AKTが認められ、AKTのリン酸化と効果には関係がないことが明らかとなった。一方、リン酸化ERKを認めることができた17人の患者はすべてSDかPRだった。26人の患者でKRAS遺伝子とBRAF遺伝子を解析したところ2人にKRASの変異が認められた。