グラクソ・スミスクラインは、4月22日付で、HER2過剰発現乳癌を対象としてラパチニブ(商品名:タイケルブ)の承認を獲得したと発表した。乳癌治療領域で初めて承認された経口の分子標的治療薬になる。6月初めから半ば頃に薬価収載されたあと、発売される見通しだ。

 ラパチニブが取得した適応は、癌細胞にHER2が過剰に発現しているHER2陽性の乳癌で、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤タキサン系抗悪性腫瘍剤、および、トラスツズマブによる化学療法後の増悪または再発の患者に対するカペシタビンとの併用療法として用いられる。セカンドラインの薬にはなるが、トラスツズマブ後に増悪した患者や脳転移のある患者に待ち望まれていた製品だ。

 ラパチニブは、EGFR(ErbB1)とHER2(ErbB2)の2種類の受容体型チロシンキナーゼを、細胞内で選択的かつ可逆的に阻害することで効果を発揮する。

 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤、タキサン系抗悪性腫瘍剤、およびトラスツズマブによる治療歴のあるHER2過剰発現の進行性または転移性乳癌患者に対する海外フェーズ3臨床試験で、ラパチニブとカペシタビンの併用群は、カペシタビン単独群と比べて、有意に無増悪期間を延長したことが報告されている。無増悪期間の中央値はラパチニブ、カペシタビン併用群で36.9週間、カペシタビン単独群で19.7週間だった。

 このフェーズ3試験での副作用は、ラパチニブ、カペシタビン併用群で解析対象198人中172人(87%)、カペシタビン単独群の解析対象191人中156人(82%)に認められた。主な副作用はラパチニブ、カペシタビン併用群で、下痢11人(60%)、手足症候群97人(49%)、悪心80人(40%)で、カペシタビン単独群では手足症候群群93人(49%)、悪心74人(39%)、下痢71人(37%)だった。

 グラクソ・スミスクラインは、日本国内でラパチニブについて日本化薬とコ・プロモーションを行うことも明らかにした。共同で医療機関等への医薬情報提供活動を行う。

 なお、同日、ヤンセン ファーマが申請していたドキソルビシンをリポソームで包んだ抗癌剤である「ドキシル」の化学療法後に増悪した卵巣癌への適応拡大も承認され、卵巣癌でも保険で使えるようになった。