進行膵臓癌に、ゲムシタビンS-1による化学療法と、膵臓癌関連抗原を利用した樹状細胞療法の併用が有効である可能性が示された。少人数の患者への投与で効果が確認されたもの。成果は4月18日から22日にデンバーで開催されている米国癌研究会議AACR)で、武蔵野大学薬物療法学客員教授でバイオベンチャーのテラの取締役である岡本正人氏が発表した。

 岡本氏によるとゲムシタビンやS-1は、樹状細胞が働きやすくする環境を作るのに働いているという。

 発表された臨床成績は、セレンクリニックで行われた結果。進行手術不能膵臓癌患者で、S-1やゲムシタビンなどの標準的な治療で安定状態(SD)か増悪(PD)となった18人の患者を対象に治療が行われた。樹状細胞は、白血球除去輸血から顆粒球マクロファージコロニー刺激因子とインターロイキン4の存在下でCD14陽性単球を生産し、OK-432で成熟化させて、膵臓癌特異抗原(1例を除いてMUC1かWT1またはその両方)で刺激してから投与された。

 患者にはゲムシタビンとS-1の両方、またはどちらかと併用で、樹状細胞を1×10の7乗個を、14日間おきに4回から12回、皮内投与した。S-1とゲムシタビンの量は通常使う量よりも少ない場合が多かったという。

 その結果、18人の患者中2人(11.1%)で完全寛解(CR)が得られ、7人(38.9%)が部分奏効(PR)、5人(27.8%)が安定状態(SD)、4人(22.2%)が増悪(PD)となった。奏効率は50.0%だった。また長期間生存例もあった。