Cell Therapeutics社(CTI社)は4月14日、米国で、再発性または難治性の悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)を対象とするピクサントロンの承認申請の段階的提出(rolling submission)を開始したと発表した。

 米食品医薬品局(FDA)は、ピクサントロンに対し、非ホジキンリンパ腫に対する3次(またはそれ以降の)選択薬としてファストトラック指定を与えている。ファストトラック指定を得た製品候補には、承認申請の段階的な提出が認められる。提出されたデータはFDAにより順次審査される

 同社は、段階的提出ながらもこの四半期中に申請を完了する計画だ。さらに優先審査も申請する計画で、これが認められ実行されれば、2009年第4四半期のうちに市販許可を得られる可能性がある。

 アントラサイクリンはリンパ腫や白血病などの治療に欠かせない薬剤だが、心臓毒性が懸念される。アントラサイクリンを使用した患者では、鬱血性心不全リスクが長期にわたって上昇することも示されている(関連記事参照)。従って、当初アントラサイクリンに反応した患者が再発した場合に、再度アントラサイクリンを用いることはできない。

 ピクサントロンは、アントラサイクリンの抗がん活性は維持しながら、心臓毒性を低減することを目指して設計された薬剤だ。

 ピクサントロンに関する枢要な無作為化フェーズ3試験(EXTEND試験)では、主要評価項目が達成された。

 複数の薬剤を併用する化学療法を2通り以上受けたが反応しなかった、再発性または難治性の悪性非ホジキンリンパ腫の患者を、ピクサントロンの単剤投与(70人)、または、この種の患者に標準的に用いられる化学療法薬の単剤投与(70人)に割り付けた。

 完全寛解(CR)または不確定完全寛解(Cru)を達成した患者の割合は、ピクサントロン群で有意に高かった。ピクサントロン群では70人中14人(20.0%)、標準治療群では70人中4人(5.7%)だった(p=0.02)。

 CR達成者は、ピクサントロン群が8人、標準治療群ではゼロだった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ピクサントロン群で有意に長かった(4.7カ月と2.6カ月、p<0.01)。さらに、ピクサントロン群の全奏効率(治療群に占めるCR、CRu、部分寛解のいずれかを達成した患者の割合、70人中26人で37.1%)は、対照群の値(70人中10人、14.3%)を有意に上回った(p=0.003)。

 対照群と比較すると、ピクサントロン群で白血球減少症、好中球減少症の発生率は高かったが、重症有害事象の発生率は同等だった。心臓への影響が見られた患者の数はピクサントロン群で多かった(5人と2人)が、治療に関連する有害事象と見なされた患者は1人だけだった。

 ピクサントロンは他のアントラサイクリン系薬剤に比べ、好中球減少症、重症の嘔吐や下痢、脱毛を起こしにくいことが、他の臨床試験で示されている。

 ピクサントロンは、現在アントラサイクリン系薬剤が用いられているリンパ腫や白血病、乳がん。多発性骨髄腫などに有効と考えられている。特に、当初はアントラサイクリン治療に反応したが、その後再発した患者には有望な選択肢になると期待される。