癌幹細胞を標的とした抗癌剤の開発が進んでいる。3月23日から25日にオランダアムステルダムで開催された第7回International Symposium on Targeted Anticancer Therapies(TAT2009)の癌幹細胞を標的としたセッションでNotch情報伝達系Wnt情報伝達系Hedgehog情報伝達系を阻害する薬剤の開発状況が報告された。一部は臨床試験に入っており、今後の開発が期待できそうだ。

 米STARTのAnthony Tolcher氏はNotch情報伝達系の解説をまず行い、その後、阻害剤の話題を提供した。開発が行われている阻害剤はγセクレターゼ阻害剤Delta-like ligand 4 trapの2種類に分けられ、前者は既に臨床試験入りし、後者も2009年に臨床試験入りが期待されているという。

 γセクレターゼ阻害剤はMK0752R4733がフェーズ1臨床試験の段階にあると説明した。MK0752は急性白血病を対象とした開発は終了し、2005年から乳癌と固形癌を対象に開発が行われているという。R4733は2008年から固形癌を対象にした開発が行われているとした。

 MK0752の試験は4アームから構成されている試験で最大耐用量まで毎日投与するアーム、350mgを連続的に投与するアーム、3日投与して4日休薬するスケジュールで用量を増やしていくアーム、週1回のスケジュールで用量を増やしていくアームで構成されている。

 R4733は2種類のスケジュールでの試験が行われており、ひとつは21日置きに7日間、毎日投与する試験で、もうひとつは21日置きに1日目、2日目、3日目、8日目、9日目、10日目に投与する試験だ。

 米Genentech社のFrederic de Sauvage氏はWnt情報伝達系阻害の可能性を指摘するとともにHedgehog情報伝達系阻害薬の開発状況を開発した。

 自社で開発を進めているGDC-0449は基底細胞癌を対象に既にフェーズ1試験は終了し、有効性が確認されている。被験者の皮膚からHedgehog情報伝達系の活性マーカーであるGL11を調べたところ全員でさがっていた。膵臓癌細胞株、大腸癌細胞株などを用いた実験でHedgehog情報伝達系の活性上昇が確認されているという。GDC-0449は転移性大腸癌を対象にFOLFOXレジメンまたはFOLFOX+ベバシズマブを併用するフェーズ2試験が行われている。卵巣癌を対象としたフェーズ2、進行基底細胞癌を対象とした大規模フェーズ2試験、小児髄芽腫を対象にしたフェーズ1試験が行われている。

 また、GDC-0449以外のHedgehog情報伝達系阻害剤ではIPI-926とBMS833923がフェーズ1臨床試験に入っている。