インスリン受容体の発現が、上皮性卵巣癌の予後不良を示す因子である可能性が明らかになった。患者の検体を免疫組織化学的に染色し、予後をプロスペクティブに解析した結果示されたもの。成果は3月23日から25日にオランダアムステルダムで開催された第7回International Symposium on Targeted Anticancer Therapies(TAT2009)でオランダUniversity Medical Center GroningenのPauline de Graeff氏によって発表された。

 同氏らは328人の上皮性卵巣癌患者の検体を収集し解析した。患者はステージ1/2が97人、ステージ3/4が231人だった。解析の結果、328人の検体のうち61人(18.5%)がインスリン受容体陽性だった。インスリン受容体の発現は、臨床病理学的な特性や化学療法に対する反応性とは関連がなかった。しかし、疾患特異的な生存に有意に(P=0.081)関連し、生存率の曲線がインスリン受容体陰性群に比べて陽性群が下に位置した。またハザード比では、インスリン発現群が1.91(95%信頼区間1.27-2.86 P=0.002)で、病期と並んで、インスリン受容体の発現は独立した予後予測因子だった。

 また16検体の組織をRT-PCR法を用いて解析した結果、インスリン受容体の2種類のアイソフォーム(IR A、IR B)が両方とも発現していた。またインスリン様成長因子受容体(IGF)IIも発現していた。

 Graeff氏は、インスリン受容体が卵巣癌に対する治療薬の標的分子になる可能性を指摘した。