カナダOncolytics Biotech社は3月20日、頭頸部癌を対象としたウイルス療法REOLYSIN」とパクリタキセルカルボプラチン併用のフェーズ1/2試験の中間結果で、抗腫瘍効果が確認されたと発表した。

 REOLYSINはヒト・レオウイルスを用いた静注薬。レオウイルスは、癌遺伝子Rasが活性化した腫瘍細胞において特異的に複製され、最終的に腫瘍細胞を死滅させることが期待されている。

 同社によれば、Rasが活性化した腫瘍細胞では、PKRプロテインキナーゼR)による抗ウイルス反応の活性能が欠けている。そのため、腫瘍細胞内でレオウイルスの増殖が可能になり、腫瘍細胞を死滅させることができる。

 一方、正常細胞はRas経路を持っていないので、通常のPKR活性を通して、レオウイルスの感染を止めることができる。さらに最近では、ウイルスによってつくられた腫瘍抗体が、腫瘍細胞を認識して死滅させる免疫システムを向上させている可能性があることも分かってきたという。

 英国では、進行・転移性頭頸部癌患者15人を対象としたフェーズ1/2試験(REO 011)が行われた。対象のうち14人は白金系製剤による前治療を受けていた。効果判定できた12人において、部分奏効は5人、病勢安定は4人であり、奏効率は42%、病勢コントロール率は75%と高かった。

 6カ月以上、治療を継続した患者の無増悪生存期間の中央値は6カ月、生存期間中央値は7カ月だった。白金系製剤抵抗性患者の無増悪生存期間はおよそ2カ月、生存期間は4.5〜6.5カ月といわれており、REOLYSINと化学療法による併用で生存期間が延長したといえる。

 試験は2段階に分かれており、まずフェーズ1試験では、頭頸部癌を含む進行・転移性固形がん患者を対象に、3週間おきに、「REOLYSIN」を段階的に増量して静注し、パクリタキセルとカルボプラチンを併用投与した。フェーズ2試験は、標準的な化学療法が不応となった進行・転移性頭頸部癌患者に対し、「REOLYSIN」とパクリタキセル、カルボプラチンを投与した。

 同様のレジメンによるフェーズ2試験が米国でも進行中で、これら2つのフェーズ2試験の中間結果をもとに、フェーズ3試験を計画しているという。