スイスNovartis社はこのほど、消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumors:GIST)切除後の再発リスクが極めて高い患者に対する術後補助療法へのイマチニブ(商品名:グリベック)の適用について、欧州連合(EU)の承認を推奨する旨の勧告を受領した。

 この勧告は、欧州医薬品委員会CHMP:Committee for Medicinal Products for Human Use)が、第3相試験の結果に基づいて行ったもの。この試験は、米国外科学会オンコロジーグループACOSOG:American College of Surgeons Oncology Group)が、米国とカナダで実施された二重盲検の無作為化多施設共同試験で、Lancet誌に掲載された。

 対象はGISTの切除術を受けた患者713人で、術後1年間、イマチニブ400mgまたはプラセボを毎日内服し、無再発生存率(RFS)を比較した。1年後に無再発を維持したのは、イマチニブ群97.7%、プラセボ群82.3%(p<0.0001)で、イマチニブはプラセボに比べて再発リスクを約89%減少させたことになる。イマチニブの忍容性は良好で、副作用はイマチニブについての過去の試験で認められたものと同様だった。

 欧州委員会は通常、CHMPの推奨に追随し、2、3カ月以内に最終決定を行う。この決定は、EU加盟国にアイスランドとノルウェーを加えた27カ国すべてに適用される。

 GISTは初回切除後、2年以内(中央値)に患者の半数に再発する可能性がある。今回、新たな使用が承認されれば、イマチニブはGISTの再発を遅らせるため、術後に適用される初めてかつ唯一の治療薬となる。

 現在EUでは、イマチニブは、再発性または切除不能のKIT(CD117)陽性GISTやフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(CML)などに対する一次治療に適用されている。今回承認されれば、EUでは10項目目のイマチニブの適用となる。なお、米国やスイスなどでは、GIST切除後の補助療法として、すでにイマチニブが承認されている。