DNA損傷の認識と修復に重要な役割を果たしているpoly(ADP-ribose)polymerasePARP)の経口阻害剤であるABT-888トポテカンを併用したフェーズ1試験の結果、有意な骨髄抑制が見られ、投与量、スケジュールの変更が余儀なくされたもののPARPの活性が高度に阻害され、一部の患者では抗腫瘍効果も確認されたことが明らかとなった。これは3月23日から25日にオランダアムステルダムで開催された第7回International Symposium on Targeted Anticancer TherapiesTAT2009)で米国立がん研究所のS.Kummar氏によって発表されたもの。

 PARP阻害剤は抗癌剤と組み合わせることで効果が高められる可能性があるとして開発が進められている。

 フェーズ1臨床試験は成人の難治性固形癌患者とリンパ腫患者を対象に行われた。投薬は21日を1サイクルとした。

 まず最初のレベル(レベル1)として、ABT-888(10mg)を1日目から7日目まで12時間置きに投与し、トポテカン(1.2mg/m2)は‐8日目と2日目から5日目まで投与した。ただし、6人中4件の用量制限毒性(グレード4の血小板減少症、好中球減少症)が見られた。

 次にレベル‐1として、ABT-888(10mg)を1日目から7日目まで12時間置きに投与し、トポテカン(0.9mg/m2)は‐8日目と2日目から5日目まで投与した。このレベルでは、3人中2人に同様の用量制限毒性が見られた。

 そこで用法用量を大幅に変更し、レベル‐2として、ABT-888(10mg)を1日目から5日目まで12時間置きに投与し、トポテカン(0.75mg/m2)を1日目から5日目まで投与したが、3人中2件の用量制限毒性が見られた。

 レベル‐3として、ABT-888(10mg)を1日目から5日目まで12時間置きに投与し、トポテカン(0.6mg/m2)を1日目から5日目まで投与したところ、4人で用量制限毒性は見られなかった。また、1Aレベルとして、ABT-888(10mg)を1日目に12時間置きに投与し、トポテカン(0.75mg/m2)を1日目から5日目まで投与したところ、2人中1件の用量制限毒性が見られた。

 腫瘍と末梢血の両方からのデータが得られた3人の患者では、投薬後3時間から7時間にわたって75%超のPARの減少が認められた。18人の患者のうち14人の患者で、末梢血中のPARPが50%超阻害されていた。8人の患者で2サイクル以上の安定状態が確認された。またレベル‐3の1人の甲状腺癌患者は、6カ月超治療を継続できているという。

 研究グループはABT-888の投与日数を少なくし(1日から2日)、1日目から5日目のトポテカンの投与用量を変更する試験を継続する考えだ。成長因子の追加も考慮しているという。