体格指数BMI)の値が35を超える肥満患者は、非肥満患者よりもリンパ節転移が広範で、生存率が低く、術後の再発率が高い膵癌を発症しやすいと考えられることが報告された。「JAMA/Archives journals」の1つ、「Archives of Surgery」誌3月号で、テキサス州立大学 M. D. アンダーソンがんセンターJason B. Fleming氏らが発表した。

 Fleming氏らによると、米国では過去20年以上に渡り、肥満率が劇的に上昇しているという。同氏らは「多くの肥満関連の疾患や悪性新生物の中で、膵癌の有病率の上昇は、肥満患者に焦点を当てた多くの疫学研究やコホート研究で報告されている。さらにメカニズムは不明だが、肥満は膵腺癌患者の生存率の低下と相関している」と報告している。

 今回対象としたのは、1999〜2006年に膵癌の治療で膵切除術(膵部分切除あるいは膵全摘)を行った患者285人。

 対象中、152人(53%)がフォローアップ期間中央値の16カ月の間に死亡した。BMIが35を超える患者では13.2カ月、BMIが23未満の患者では27.4カ月が生存の中央値であった。最終のフォローアップの時点では、BMIが35を超える患者20人中15人(75%)、BMIが35以下の患者265人中137人(52%)が死亡していた。

 本研究ではBMIが35を超える肥満患者のサブセットを同定しており、このような患者ではBMIが35以下の非肥満患者と比較して、リンパ節転移のリスクが12倍となっていた。肥満患者では推定無病生存率および推定全生存率が低下し、膵切除術後の癌の再発と死亡のリスクは非肥満患者のおよそ2倍であった。癌の再発は、BMIが35を超える患者では95%、BMIが35以下の患者では61%に認められた。

 過去の研究では、BMIが35を超えることと、膵癌による死亡のリスクの上昇との相関が示されている。Fleming氏らは「今回の研究結果により、肥満患者に腫瘍の治療を行うことに関連する問題点とは無関係に、肥満が腫瘍生物学に影響する宿主因子であることが示唆された。今後、さらに見識を提供できると考えられるこのような患者群において、全身あるいは腫瘍のバイオマーカーの探求などを含め詳細な調査を行う必要がある」としている。