早期前立腺癌に対する体幹定位放射線治療(SBRT)の予備結果が3月15日のInternational Journal of Radiation Oncology・Biology・Physicsで示され、治療後のPSAに良好な反応が得られたことが明らかとなった。これにより、これまでの長期間の放射線療法に代わって、治療コースの短縮という可能性が広がったことになる。

 限局性前立腺癌に対する放射線療法の効果性はよく知られている。なかでも、有効な治療法として確立しているものには、放射線源を直接前立腺に照射する小線源療法や週に5日の低線量照射を8週間続ける放射線外部照射などがある。

 前立腺癌細胞は放射線に対する感受性が高く、放射線外部照射は患者にとっては低侵襲で高い効果を得られる治療法だが、長期に渡る治療は、特に治療施設から遠い患者にとってその負担は大きい。

 そこで、この研究で行われたのが、5日間に渡って高線量を照射するSBRT(stereotactic body radiation therapy)と呼ばれる治療法の効果が検証された。

 同研究は、低リスクの前立腺癌患者41人を対象にStanford Universityで行われた。

 フォローアップの中央値33カ月の後、研究に参加した患者において、癌の徴候はみられなかった。

 副作用に関しては、泌尿器科系や直腸に関連した問題が報告されてはいるが、他の前立腺癌治療と比べて同程度のものだった。

 また、生物学的エビデンスからは、この方法が前立腺癌の治療にとって、従来の長期化する治療コースよりも効果的かもしれないことが示されている。

 カリフォルニアのStanford University School of Medicine 准教授で放射線腫瘍学のChristopher King氏は、前立腺癌の治療期間の短縮化は偉大な熱意によって実現した点を強調するとともに、今回の予備結果は早期前立腺癌患者にとっては有望な結果となったと述べている。
 
 しかし一方で、同研究に関しては、他の証明された前立腺癌の治療法と同様に、SBRTの長期に渡る効果をフォローアップする必要性があることも著者は示唆している。