インターフェロンIFN)αなどのサイトカイン療法またはチロシンキナーゼ阻害剤で難治性だった転移性腎細胞癌に、IFNとともに癌関連抗原CA9の部分ペプチドを投与するワクチン療法が有望である可能性が明らかとなった。22人の患者を対象にしたフェーズ2臨床試験で、完全奏効(CR)などの抗腫瘍効果が確認され、安全性も高いことが示された。成果は2月26日から28日に米国オーランドで開催された2009 Genitourinary Cancers SymposiumASCO GU)で近畿大学医学部泌尿器科学の植村天受氏によって発表された。

 フェーズ2臨床試験は、HLA−A24抗原を持つ22人の転移性腎細胞癌患者の皮下に、CA9の一部分である9ペプチド3種類を3mgずつ2週間隔で投与し、6回目のワクチン接種の後、患者はIFNα600万国際単位を週に2回から3回自己注射した。

 試験の結果、多くの患者でペプチド特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)が誘導され、複数の肺転移を持つ患者で、CRが1人、部分奏効が1人で認められた。また、6カ月以上の安定状態(SD)が8人で認められた。現時点でフォローアップ期間中央値が14カ月で14人の患者が死亡し、8人の患者が生存している。

 ワクチンに関する毒性は、グレード3の局所皮膚反応が2人に、グレード3の発熱が2人に見られた程度だった。

 植村氏は、CA9ワクチン/IFN併用療法はファーストラインの治療がうまくいかなかった転移性腎細胞癌に対する治療の選択肢の1つになるかもしれない、とした。また、アキシチニブやパゾパニブ、mTOR阻害剤との併用も十分に考えられると指摘した。