前立腺癌の悪性度と関連するメッセンジャーRNA(mRNA)を尿中から検出する遺伝子検査キットのプロトタイプが開発された。TMPRSS2(T2)遺伝子と癌原性転写因子ERGの遺伝子のmRNAが融合した「T2:ERG」の量をTMA法という遺伝子増幅法で検出するもの。T2:ERGは前立腺癌の組織に特異的に存在し、前立腺癌の約半数に確認されるという。アンドロゲンによる癌遺伝子の発現調節に関与していると考えられている。3施設で行われた評価で、85%という高い特異性を示し、癌の悪性度とT2:ERGの量が相関性を示した。成果は2月26日から28日に米国オーランドで開催された2009 Genitourinary Cancers SymposiumASCO GU)で米Gen-Probe社のJ.Groskopf氏によって発表された。

 開発されたキットは、直腸指診を行った後の最初の尿サンプル中に存在する前立腺細胞を用いて、T2:ERGを検出する。前立腺の生検を受ける予定の患者と前立腺摘出術を受ける予定の患者の尿でT2:ERG量を測定した。その後、生検を行って、特異性と感度を評価し、前立腺切除術を行って悪性度との相関をみた。

 生検の結果、3施設あわせて556人中226人が前立腺癌だった。尿中T2:ERG量測定キットは、85%の特異性で正しく前立腺癌を検出した。一方、前立腺癌の早期発見に用いられるPSA検査の特異性は27%だった。また、尿中T2:ERG量測定キットの感度は42%で、T2:ERGの発現が前立腺癌患者の約半数であることを考えると高い感度だという。

 さらに92検体について、癌の悪性度との比較を行ったところ、前立腺癌の悪性度が低い癌では、尿中T2:ERG量スコアが低く、悪性度の高い癌では高く、悪性度の指標となることが分かった。