去勢術抵抗性の転移性進行前立腺癌に、SRCファミリーキナーゼ阻害剤ダサチニブドセタキセルの併用が有効である可能性が示された。フェーズ1/2試験のフェーズ1試験の結果、明らかとなったもの。忍容性とともに抗腫瘍効果も確認された。現在、両剤を併用したフェーズ3臨床試験が行われているという。成果は2月26日から28日に米国オーランドで開催された2009 Genitourinary Cancers SymposiumASCO GU)で米MD Anderson Cancer CenterのJohn Araujo氏によって発表された。

 フェーズ1試験はダサチニブを毎日投与、ドセタキセルを21日間ごとに投与する方法で行われた。投与量によって5段階に分けられた。第1段階はダサチニブ50mg、ドセタキセル60mg/m2(3人)、第2段階はダサチニブ50mg、ドセタキセル75mg/m2(3人)、第3段階はダサチニブ70mg、ドセタキセル75mg/m2(3人)、第4段階はダサチニブ100mg、ドセタキセル75mg/m2(4人)、第5段階はダサチニブ120mg、ドセタキセル75mg/m2(3人)と全部で16人の患者で実施された。14人の患者が骨転移を有していた。

 試験の結果、少なくとも1カ所のRECISTによる評価が可能な病変部のある11人の患者で、4人が部分寛解(PR)、5人が21週以上の安定状態(SD)、2人が6週以上のSDが得られ、PRとSDを合わせた疾患制御率は100%だった。また、PSAについては、15人の患者が少なくとも2回の測定を受け、効果の判定が可能だった。15人中11人の患者でPSAの減少が確認された。

 また骨吸収のマーカーである尿中1型コラーゲン架橋N−テロペプチド(NTX)は、測定可能だった13人中8人で35%以上の減少が見られた。骨形成のマーカーである骨型アルカリホスファターゼ(BAP)は、測定可能だった12人中8人で減少した。

 一方、副作用は、用量制限毒性はどの段階でも見られず、最大耐用量には到達しなかった。治療に関連した副作用は、多くが軽度から中等度のもので、倦怠感、味覚障害、胃腸障害が頻度高く出現した。3人の患者がグレード3の副作用を経験し、1人は胸水、1人は倦怠感と粘膜炎症、1人はドセタキセルに対する過敏症だった。

 なお、同学会では別のグループによってダサチニブの単剤投与が有効であることを示すフェーズ2試験結果も発表された。SRCファミリーキナーゼは前立腺癌や他の癌種でも活性が高まっていることが示されており、骨代謝にも関与していることから、ダサチニブには抗腫瘍効果、抗骨破壊効果が期待されている。