組織学的に局所リンパ節転移陰性と判定された大腸癌患者でも、25%は大腸癌が再発する。米Thomas Jefferson大学のScott A. Waldman氏らは、リンパ節におけるグアニル酸シクラーゼ2CGUCY2C)の発現を調べれば、再発リスクの高い患者をより高度に選別できる可能性を示した。詳細は、JAMA誌2009年2月18日号に報告された。

 大腸癌が局所リンパ節に転移していると、再発リスクは上昇し、予後が不良になる可能性が高まる。組織学的な病期診断ステージング)でリンパ節転移陰性と判定されても4人に1人が再発するという事実は、転移の見落としがあることを示唆する。リンパ節由来のわずかな標本を顕微鏡で観察する方法では、観察対象となった部分以外に転移が存在するかどうかはわからない。適切な治療法を選択し、再発を回避するためには、正確な病期診断が必要だ。

 GUCY2Cは、腸の腫瘍細胞過剰発現されており、切除不能な転移性大腸癌の特異的なマーカーとして有用と考えられている。GUCY2Cの発現を指標にすれば隠れたリンパ節転移の存在を知ることができるのではないか、と考えた著者らは、米国とカナダの9医療機関で、2002年3月から2007年6月まで、前向きの多施設試験を実施した。

 対象としたのは、組織学的にはリンパ節転移陰性と判定された大腸癌患者。原発腫瘍にGUCY2Cの発現が認められた257人から採取された2570のリンパ節標本に、定量的な逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応法RT-PCR)を適用して、mRNAレベルで組織におけるGUCY2Cの発現を調べた。

 主要エンドポイントは、無再発生存期間(手術から再発、転移が発生するまでの期間)、2次エンドポイントは、無病生存期間(手術から何らかの病的な状態が発生するまでの期間)に設定し、中央値24カ月の追跡を行った。

 その結果、32人の患者(12.5%)がGUCY2C陰性だった。そのうち、追跡期間中に再発または死亡した患者は2人だけだった(イベント発生率は6.3%、95%信頼区間:0.8-20.8)。

 リンパ節がGUCY2C陽性だった患者225人(87.5%)については、47人が再発または死亡していた(イベント発生率は20.9%、95%信頼区間:15.8-26.8)。両群間の差は有意だった(p=0.006)。GUCY2Cの予後予測能力は、既知の予後予測因子で調整しても有意だった。

 GUCY2C陰性患者と比べて、陽性患者で無再発生存期間が短縮するリスクは4.66倍(調整ハザード比4.66、95%信頼区間:1.11-19.57、p=0.04)、無病生存期間が短縮するリスクは3.27倍(調整ハザード比3.27、同1.15-9.29、p=0.03)だった。

 組織学的には、リンパ節転移陰性患者のリンパ節標本におけるGUCY2Cの発現は、独立した予後予測因子であることが明らかになった。今後、GUCY2C陽性患者が術後補助療法によって利益を得られるかどうかを検証する必要がある。