米Northwest Biotherapeutics(NWBT)社は2月17日、多形性グリア芽細胞腫(GBM)患者を対象とした「DCVax-Brain」について、2008年後半の詳細な長期フォローアップデータを発表した。このデータは第1相試験および第1/2相試験のもので、2008年6月15日〜2009年1月1日に標準治療にDCVax-Brainを加えて治療した患者20人に死亡例はなく、68%が2年以上、63%が2年〜2年半以上、53%が3年以上、35%が4年以上、25%が5年以上生存している。これに対し、手術、放射線療法、化学療法からなる標準治療のみを受けた患者の生存期間の中央値は14.6カ月、5年間生存した患者は5%未満であった。

 DCVax-Brainは革新的なテーラーメードワクチン。患者自身の樹状細胞から作製し、免疫系を動員するよう活性化して「教育」した後、皮下注射で患者の体内に戻すと癌細胞のバイオマーカーを認識し攻撃する。グレード3または4の有害事象は報告されていない。

 脳の悪性腫瘍の中でも最も攻撃的なGBMによる死亡者は、米国では2007年に1万2000人以上に上ったと推定される。腫瘍摘出術と放射線療法を除くと、米食品医薬品局(FDA)に承認されたGBMの治療法は極めて限られ、これらの治療法による生存期間の延長は、臨床試験では10〜12週程度だった。

 今回の発表によると、DCVax-Brainを投与した患者20人中、進行(再発)を認めたのは2人のみ。1人は約6年、もう1人は約4年の無再発生存期間を経た後の再発であった。一方、同薬を投与しなかった患者の無再発生存期間は6.9カ月にとどまった。

 現在、DCVax-Brainについては米国の11の医療機関の患者を対象に第2相の大規模臨床試験が実施されている。

 NWBT社の社長兼CEOであるAlton L. Boynton氏は、「DCVax-Brainを投与した患者の長期生存は顕著であり、勇気づけられるものだ。特に今回の長期生存例では毒性が認められず、患者が普段通りの生活を続けられることに興奮を覚える」とコメントしている。