ノバルティス ファーマは2月13日、骨転移による骨関連事象の予防薬のゾレドロン酸(商品名;ゾメタ)を閉経前の早期乳癌患者の術後ホルモン療法に追加することで、ホルモン療法単独の場合と比較して、乳癌再発または乳癌による死亡のリスクを36%減少させたという研究成果が、New England Journal of Medicine誌に掲載されたと発表した。この研究自体は既に昨年の米国臨床腫瘍学会で発表されており、ゾレドロン酸に抗腫瘍効果が認められたとして注目されたものだ。

掲載された論文は、ABCSG-12試験についてまとめたもの。これは、多施設・オープンラベルのフェーズ3試験で、オーストリアの乳房・結腸直腸癌研究グループ(Austrian Breast & Colorectal Cancer Study Group : ABCSG)によって実施された。エストロゲン受容体陽性を示し腋窩リンパ節転移数が10未満の閉経前女性(ステージI/IIの乳癌患者)1803人を対象にした。患者は、根治目的の手術を受け、卵巣機能を抑制するためのゴセレリンの投薬開始後に試験に登録された。登録患者は無作為にアロマターゼ阻害剤であるアナストロゾール+ゾレドロン酸、アナストロゾール単独、タモキシフェン+ゾメタ、タモキシフェン単独の4群に割り付けられた。治療期間は3年で、フォローアップ期間の中央値は48カ月だった。

 ABCSG-12試験の主要評価項目は無病生存で、副次的評価項目は無再発生存、全生存及び骨ミネラル密度だった。

 試験の結果、ホルモン療法単独の場合と比べて、ゾレドロン酸を併用した場合の無病生存イベントリスクは36%減少し(p=0.01)、無再発生存イベントリスクは35%減少した(p=0.02)。ゾレドロン酸併用でホルモン療法を受けた患者の死亡は16人、ホルモン療法のみを受けた患者の死亡は26人で、ゾレドロン酸を併用した場合の死亡率の低下は統計学的に有意ではなかった(p=0.11)。また、骨転移がみられた患者の数にも同様の傾向(p=0.22)が認められた。全生存と無骨転移生存に有意な差があるかどうかを判断するには、より長いフォローアップ期間とより多くのイベントが必要だという。