ターミナル期の癌患者のタキサン系抗癌剤副作用であるしびれに、温灸が有効である可能性が示唆された。2月7日から8日に沖縄県宜野湾市で開催された第23回日本癌看護学会学術集会で、三重大学看護学科の辻川真弓氏によって少人数の事例報告が行われた。辻川氏は、「電気温灸という物理刺激に加えて、人とのコミュニケーションが有効に働いた可能性がある」とし、しびれの人のバックグラウンドを明確にした、より大人数の研究が効果のあるなしの判定には不可欠と指摘した。

 辻川氏らは、言語的コミュニケーションが可能な癌ターミナル期の患者50人を対象に、経穴6カ所(合谷神門足三里)を経穴探知機で検索した上で、電気温灸機で1日1回15分、5日間連続して刺激を与えた。その際、1人の研究者が1人の患者に継続して介入を行った。介入前後でバイタルサイン倦怠感吐き気呼吸苦痛み気分などの主観的な症状変化を調べた。

 その結果、対象者のうちタキサン系抗癌剤の副作用であるしびれを有する患者12人いたが、その中で温灸によるしびれが主観的に改善した患者が5人いた。さらにそのうち2人は箸で食事がとれるようになる、蓋や栓が開けられるようになるなど顕著な改善を示した。

 研究グループは、今後は、対象者の条件を絞り、かつ症例数を増やしての検討を計画しているという。