看護大学/大学院で、臨床試験に関する教育は、関連した講義が単発的に行われている程度で、講義数は非常に少ないことが明らかになった。臨床研究を支援するクリニカル・リサーチ・コーディネーターの存在が重要になっているが、看護師への教育体制は不十分であることが示された。

 これは、全国の看護系大学を対象としたアンケート調査で判明したもので、2月7日から8日に沖縄県宜野湾市で開催された第23回日本癌看護学会学術集会で、北里大学臨床薬理研究所臨床試験コーディネーティング部門の久木野しのぶ氏が発表した。共同演者で同部門室長の青谷恵利子氏は、「看護師への教育の必要性が認識されておらず、立ち遅れている」と、現状への危機感を語った。

 アンケート調査は、日本看護系大学会員校リストに記載された全168校を対象とし、郵送で調査票を送付した。78校から回答があり、有効回答率は46.4%だった。大学の種類は、単科大学が17、総合大学が55、未回答が6だった。臨床試験に関する講義が「あり」と回答したのは、大学では78校中11大学(14.1%)にとどまり、「なし」が64大学、未回答が3大学だった。大学院(44校)でも「あり」は9校(20.4%)にとどまり、「なし」が35校だった。しかも、臨床試験に関する年間平均の講義数は、1コマが4大学、4大学院、2〜3コマが5大学、3大学院と、大多数を占めていた。

 看護カリキュラムの中に臨床試験に関する講義があるかどうかについては、大学にあると回答したのが78校中2校(2.5%)、大学院にあると回答したのが44大学院中5校に留まった。今後、臨床試験に関する講義を新たに提供する予定があるかとの質問に「あり」と回答したのは15校(25%)にとどまり、「なし」が43校(72%)だった。

 新たに臨床試験に関する講義を導入予定の科目は、癌看護学が4大学、2大学院と、他の科目よりも多い傾向があった。研究グループは、看護の基礎教育カリキュラムの中に臨床試験に関する導入的な講義が組み込まれ、看護の中の臨床試験の重要性を共通認識できる素地作りが必要と指摘した。