米Genentech社は2月2日、フェーズ3試験ATLAS」で、主要エンドポイントに設定した無増悪生存期間の延長が示されたと発表した。この試験は、進行した非小細胞肺癌NSCLC)の患者に、維持療法第一選択薬として、エルロチニブ(商品名:タルセバ)とベバシズマブ(商品名:アバスチン)を用いた場合の有効性安全性を確かめたもの。

 ATLAS試験は、データ安全性監視委員会の勧告に基づいて早期中止された。同委員会はあらかじめ計画されていた中間解析を行い、偽薬とベバシズマブを併用したグループに比べ、エルロチニブ+ベバシズマブ群の進行なしの生存期間(無増悪生存期間)が有意に長いことを明らかにした。また、予備的に行われた安全性評価では、有害事象についても新たな問題を認めず、過去に行われたエルロチニブ、ベバシズマブに関する臨床試験で見られたと同程度であることが示された。

 ATLASは、二重盲検無作為化試験として複数国の医療機関で行われた。局所進行再発、または転移性のNSCLC患者1157人を登録。ベバシズマブに関するこれまでの臨床試験では、脳への転移がある患者、肺以外の場所に扁平上皮性の腫瘍が存在する患者、抗凝固薬を使用している患者はしばしば除外されてきたが、今回はそれらの患者も対象に含まれている。

 患者たちは最初に、プラチナ製剤ベースの化学療法(カルボプラチン+ゲムシタビン、カルボプラチン+パクリタキセル、カルボプラチン+ドセタキセルシスプラチン+ビノレルビンなど)とベバシズマブを併用する治療を4サイクル受けた。その間、癌が進行せず、毒性も見られなかった患者768人を選んで、ベバシズマブとエルロチニブ、または、ベバシズマブと偽薬を用いた維持療法に無作為に割り付け、進行が認められるまで治療を継続した。

 主要エンドポイントは、維持療法開始からの無増悪生存期間、2次エンドポイントは、全生存期間、あらゆる有害事象、グレード3以上の有害事象、癌の進行以外の理由での治療中止に設定されていた。

 ATLASは、当初の治療を終えた肺癌の患者がエルロチニブを服用することにより、無増悪生存期間の延長が可能であることを示した2番目の研究だ。先に行われたSATURN試験は、当初の化学療法を終えた直後から患者にエルロチニブを単剤で投与し、有効性と安全性を偽薬と比較する設計になっていた。ATLAS試験の結果の詳細はいずれ学会で報告される見通しだ。

 Genentech社は、今回得られたデータをもとに、開発の次の段階をどうするかについて、米食品医薬品局FDA)と協議する計画だ。

 ベバシズマブは現在、局所進行性の非扁平上皮性NSCLCにおいて、カルボプラチン、パクリタキセルなどと併用する第一選択薬として承認を得ている。エルロチニブについては、進行性NSCLC患者で化学療法を受けた後に病気が進行した患者への適用が許可されている。