Hollis-Eden Pharmaceuticals社は1月23日、前立腺癌治療薬候補「apoptone (HE3235)」による抗腫瘍効果は、細胞内情報伝達経路の1つであるRaf/MEK/ERK経路の活性化による可能性のあることが、前臨床データで明らかになったと発表した。apoptoneによる抗腫瘍効果はin vivoで認められているが、今回のデータにより、従来のホルモン剤とは異なる作用機序をももつことが示されたといえる。

 前立腺癌の細胞では、アポトーシスを抑制するPI3K/AKT経路が過剰に活性している。同社によれば、apoptoneによるRaf/MEK/ERK経路の活性がPI3K/AKT経路を阻害し、その結果、前立腺癌細胞のアポトーシスを促すことが考えられるという。

 in vivoではこれまでに、ヒト前立腺腫瘍を移植した去勢抵抗性モデルマウスにおいて、apoptoneの投与は偽薬に比べて腫瘍体積を有意に減少させ(p<0.05)、腫瘍倍加時間(tumor doubling time)を遅らせることが報告されている。

 また、apoptoneの投与により、腫瘍のアンドロゲン受容体は減少し、遺伝子発現レベルも低下した(p<0.05)。アンドロゲン受容体と結合するテストステロンとその活性体であるジヒドロテストステロンも、apoptone投与で偽薬群に比べ減少した。これらのことから同社は、apoptoneは腫瘍内のホルモン合成を直接抑制するとした。

 米国では、前立腺癌患者を対象としたapoptoneのフェーズ1/2臨床試験が進行中であり、同社は2009年上半期に結果を報告する予定という。