抗上皮成長因子受容体EGFR)抗体製剤のパニツムマブは、同機序の分子標的薬であるセツキシマブと同様、皮疹などの皮膚毒性が生じることが知られている。これに対し、予防的に皮膚のケアを行うことで、皮膚毒性の著明な軽減およびQOLの改善が得られたと、米国・ノースウエスタン大学のM.E.Lacouture氏が2009 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)の一般口演で報告した。

 対象はパニツムマブとFOLFIRIまたはイリノテカンの併用療法を行う予定の切除不能大腸癌患者95人で、治療開始1日前から皮膚のケアを始める事前ケア群に48人、皮膚毒性が生じてから治療を開始する事後ケア群に47人が無作為割付された。6週間にわたり皮膚のケアを行い、7週目以降は希望者にのみ継続した。皮膚のケアとしては、(1)起床後全身に保湿剤を塗布、(2)外出時に日焼け止めを使用、(3)就寝時にステロイド剤を塗布、(4)抗菌薬の使用――を行った。

 治療自体の奏効率については両群で差はなかった。グレード2以上の皮膚毒性の発現率は、事前ケア群14人(29%)に対し事後ケア群29人(62%)と、事前ケアにより半分以下に抑制できた。さらに事前ケア群ではより軽度のグレード2が11人、重度のグレード3が3人にとどまったのに対し、事後ケア群ではグレード2が19人、グレード3が10人だった。

 また、10個の質問への回答からQOLを0〜30点の間で評価するスコアによって、治療開始前と治療3週間後、7週間後の患者のQOLの変化をみた。その結果、3週間後には事前ケア群1.3、事後ケア群4.2、7週間後には事前ケア群2.0、事後ケア群2.6と、事前ケア群で事後ケア群に比べ、QOLの変化が軽度にとどまる傾向がみられた。

 M.E.Lacouture氏は「詳しい機序については不明だが、皮膚毒性以外の有害事象についても、下痢や脱水、好中球減少などがほぼ半減する効果が得られた。パニツムマブを含む治療を行う際には、積極的に予防的な皮膚のケアを行う体制が望まれる」と話した。