免疫抑制剤の1つであるシロリムスに、進行肝癌の治療に有望な可能性があることが分かった。1月15日から17日にサンフランシスコで開催された2009 Gastrointestinal Cancers Symposium (ASCO GI)でフランスのアンリ・モンドール病院のT.Decaens氏が発表した。

 2007年2月から6月の間に肝癌患者14人(平均年齢60歳)が登録された。シロリムスは、病態が進行するまで週1回30mg経口投与した。治療継続期間の平均は23週間だった。3人の患者が脱落し、解析した11人の奏効率は、完全奏効1人、部分奏効3人、安定5人、進行2人で、完全奏効と部分奏効を合わせた奏効率は36%だった。

 安全性については、治療に関連した肝機能検査値の悪化はなかったが、9人に腹水がみられ、1人に感染症、1人に腎不全がみられた。このほか、軽度の口内炎、無力症(衰弱)、皮膚障害、味覚障害がみられたが、重度の有害事象は観察されなかった。病態進行もしくは死亡までの中央値は4.4カ月だった。

 病態進行もしくは死亡までの期間について、Child Pugh分類や癌の形態、門脈腫瘍塞栓の有無などから肝癌の予後を評価する「CLIPスコア(満点6)」が3以下か4以上かによって分けて調べたところ、3以下の群では5.9カ月、4以上の群では3.4カ月と明らかな差があった。

 T.Decaens氏は「十分期待が持てる結果が得られたと考えている。今後、CLIPスコアが3以下のより早期の肝癌患者を対象に、大規模な試験を行いたい」とした。