転移性膵癌エルロチニブとゲムシタビンに加えてベバシズマブまたはプラセボを投与すると、副作用である皮疹の程度に応じて全生存期間OS)が延長される傾向が明らかとなった。ただし、ベバシズマブを加えた群とプラセボを加えた群の間に有意な差はみられなかった。無増悪生存(PFS)も同様に皮疹の出現がひどいほど延長される傾向があった。

 これは、無作為化多施設二重盲検フェーズ3臨床試験AViTAの結果をレトロスペクティブに解析した結果、明らかになった。1月15日から17日にサンフランシスコで開催された2009 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)でベルギーUniversity Hospital GasthuisbergのE.van Cutsem氏によって発表された。エルロチニブにゲムシタビンを加えて全生存率の改善を見出したPA.3試験でも皮疹の出現が強いほど効果が高いことが既に示されていたが、AViTA試験でも同様な結果が得られた。

 AViTA試験は、化学療法未治療の転移性膵腺癌患者をゲムシタビン、エルロチニブ、ベバシズマブを投与する群(GE-B群、306人)、ゲムシタビン、エルロチニブにプラセボを投与する群(GE-P群、301人)に分けて行われた。ゲムシタビンは1000mg/m2を最初の8週は1日目、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目、43日目に投与され、その後4週間1サイクルで1日目、8日目、15日目に投与された。エルロチニブは1日当たり100mg投与された。ベバシズマブは2週間置きに体重1kg当たり5mgを投与された。登録された607人のうち24人は薬剤を投与されなかった。

 試験の結果、無増悪生存期間(PFS)の中央値はGE-B群が4.6カ月、GE-P群が3.6カ月、ハザード比0.73(95%信頼区間0.61-0.86、p=0.0002)で有意に3剤群が延長していた。全生存期間(OS)の中央値はGE-B群が7.1カ月、GE-P群が6.0カ月、ハザード比0.89(95%信頼区間0.74-1.07、p=0.2087)で有意差はないが、GE-B群で延長される傾向があった。

 皮疹の出現の強さは非喫煙者ほど強くなり、CRPが1.4mg/dL未満であるほど強くなる傾向があった。皮疹とOSの関係は、両群合わせて、皮疹がグレード0の群とグレード1以上の群で、ハザード比0.54(95%信頼区間0.44-0.65、p<0.0001)でグレード1以上の群が有意に高いことが明らかとなった。皮疹のグレード0ではGE-B群(91人)のOSは5.0カ月、GE-P群(123人)のOSは4.3カ月、グレード1ではGE-B群(110人)のOSは7.4カ月、GE-P群(101人)のOSは7.1カ月、グレード2ではGE-B群(105人)のOSは8.4カ月、GE-P群(77人)のOSは8.3カ月で、皮疹の程度がひどくなるほどOSが延長される傾向が両群で認められた。ただし、GE-B群とGE-P群の間には有意な差はなかった。

 PFSでも同様な結果が得られた。両群合わせて、皮疹がグレード0の群とグレード1以上の群で、ハザード比0.53(95%信頼区間0.44-0.63、p<0.0001)でグレード1以上の群が有意に高いことが明らかとなった。皮疹のグレード0ではGE-B群のPFSは3.0カ月、GE-P群のPFSは2.1カ月、グレード1ではGE-B群のPFSは4.0カ月、GE-P群のPFSは3.7カ月、グレード2ではGE-B群のPFSは5.8カ月、GE-P群のPFSは4.1カ月で、皮疹の程度がひどくなるほどOSが延長される傾向が両群で明らかに認められた。