進行した食道癌および胃癌に対し、術前に化学放射線療法を行うと、高い奏効率が得られ、手術を容易にする点でも有用である可能性が示された。米国・ブラウン大学腫瘍学グループのH.J.Wanebo氏が2009 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)の一般口演で発表した。

 対象は、食道癌および胃癌患者55人(男性48人、女性7人、平均年齢58歳)で、ステージIIIまたはIVが41人を占めた。手術を実施する前に6週間、セツキシマブ(1週目は400mg/m2、2週目以降は250mg/m2)、パクリタキセル(週に50mg/m2)、カルボプラチン(週にAUC=2)、50Gyの放射線療法を行った。その後の2週間で再度病期を評価し、治療法を選択した。

 化学放射線療法自体の奏効率については、完全奏効25%、病変の一部が消失するなどほぼ完全奏効18%、部分奏効23%、安定34%と、良好な成績が得られた。この結果、11人(20%)が手術から内視鏡治療へと変更となった。化学放射線療法に伴うグレード3〜4の有害事象は、食道粘膜炎10%、脱水9%などだった。

 手術を行った44人中28人(64%)が完全切除、内視鏡治療を行った11人中9人(82%)が完全切除と内視鏡的に判断された。手術関連死は2人だった。経過観察できた手術例40人の2年生存率は62%で、2年無増悪生存率は50%だった。H.J.Wanebo氏は「手術前にわれわれが行ったレジメンでの化学放射線療法は奏効率が高く、手術を容易にしたと考えられた。生存期間を延長する上でも有用な方法と期待される」とまとめた。