ドセタキセル(D)、シスプラチン(C)、フルオロウラシル(F)の3剤を併用するDCFレジメンを一部改変したレジメン(mDCFレジメン)とベバシズマブの併用は、DCFレジメンよりも副作用が穏やかで進行胃食道腺癌に有効である可能性が分かった。フェーズ2臨床試験の結果から明らかになったもので、成果は1月15日から17日にサンフランシスコで開催された2009 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)で米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのM.A.Shah氏らによって発表された。発表された試験は、上部消化器癌でベバシズマブと化学療法併用の有効性を示した2番目の完了試験となった。

 DCF療法では、1日目にD75mg/m2、C75mg/m2を投与し、Fは1日当たり750mg/m2を5日間連続静注することを3週置きに繰り返す。有効性は高いが副作用が強いことが問題と考えられている。研究グループが用いたmDCFレジメンは、1日目にD40mg、ロイコボリン400mg/m2、F400mg/m2を急速静注し、1日当たり1000mg/m2を2日間連続静注、3日目にシスプラチン40mg/m2を投与することを2週置きに繰り返すもの。ベバシズマブは1日目に10mg/kgが投与された。主要評価項目は、歴史的に43%とされている6カ月時点での無増悪生存(PFS)率の向上(仮説的には63%)だった。

 フェーズ2試験は、手術不能または転移性胃食道腺癌患者45人を対象に、mDCFレジメンにベバシズマブを投与する方法で行われた。45人のうち胃癌が23人、胃食道接合部癌が17人、食道癌が5人だった。原発巣が切除されていない患者が39人だった。45人のうち効果判定には、44人のデータが利用された。

 試験の結果、RECISTによる評価が可能だった39病変のうち、部分奏効(PR)が26病変(67%)で得られ、12病変で安定状態(SD)が得られた。フォローアップ期間中央値12.4カ月で無増悪生存期間中央値は12カ月(95%信頼区間8.8-16)で、6カ月でのPFS率は79%(95%信頼区間68-93)だった。全生存(OS)期間中央値は16.2カ月(95%信頼区間11.4-未達)で、1年OS率は63%(95%信頼区間44-77)、18カ月OS率は46%(95%信頼区間27-63)だった。

 一方グレード3/4の血液学的毒性は、好中球減少症が45人中23人(51%)、発熱性好中球減少症が2人(4%)、血小板減少症が7人(16%)、貧血が5人(11%)に見られた。既に報告されているDCFレジメンではグレード3/4の好中球減少症は82%、発熱性好中球減少症は29%、血小板減少症が8%、貧血が18%でmDCFレジメンにベバシズマブを加えた方が血液学的毒性は軽度だった。グレード3/4の非血液学的毒性も吐き気/嘔吐が7%、下痢が7%、粘膜炎が9%とDCFレジメンを投与した結果の報告よりも軽度だった。ベバシズマブに特徴的な副作用としては、血栓症はベバシズマブを投与した他の試験結果と同等で、胃穿孔はグレード3が1人、出血がグレード3が1人いただけで高血圧や創傷治癒に関してはグレード3以上のものはなかった。