米国、欧州、南米、オーストラリア、南アフリカで実施されていたFLAGS試験の結果が明らかとなった。FLAGS試験は、未治療進行再発胃癌を対象に、シスプラチンと経口5FU系製剤S-1(CS療法)とシスプラチンと静脈投与5FU(CF療法)を比較するフェーズ3臨床試験。米国食品医薬品局(FDA)の指示により、CF療法に対しCS療法の優越性を示すことが目的だったが、全生存率の生存曲線はCS療法が上回っていたものの、優越性は示せずほぼ同等という結果となった。しかし、安全性はCS療法の方が明らかに有効であった。成果は、1月15日から17日にサンフランシスコで開催された2009 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)で、米M.D. Anderson Cancer CenterのJ.A.Ajani氏によって発表された。同氏は発表で、効果が同等で安全性が優れることから「CS療法がCF療法に対する最善の代替療法である」と結論づけた。

 FLAGS試験は、手術不能局所進行または転移性胃癌患者を対象に行われた。CSレジメン群(521人)には25mg/m2のS-1を1日2回1日目から21日目まで経口投与し、シスプラチンは75mg/m2を1日目に投与することを4週間置きに繰り返した。CFレジメン群(508人)には1日当たり5-FU1000mg/m2を1日目から5日目まで連続静注し、シスプラチンは100mg/m2を1日目に投与することを4週置きに繰り返した。投薬を受けた患者は両群とも白人が86%を占めていた。患者当たりの投与サイクル中央値は両群とも4.0だった。

 試験の結果、主要評価項目であった全生存についてはハザード比0.92(95%信頼区間 0.80-1.05)、全生存期間中央値はCS群が8.6カ月、CF群が7.9カ月で、グラフ上ではCS群が常に上回っていたが統計学的な有意差はなかった。無増悪生存(PFS)については、独立した機関による評価で、ハザード比が0.99(95%信頼区間0.86-1.15)、PFS中央値がCS群5.3カ月、CF群5.6カ月で同等だった。治療成功期間(TTP)については、ハザード比0.87(95%信頼区間0.77-0.99)となり中央値は、CS群、CF群共に3.8カ月と同じだが、統計学的に有意にCS群が上回った。奏効率はCS群29.1%、CF群31.9%と同等だった。

 一方、副作用については、グレード3/4の血液学的副作用はCS群の方が有意に少ないものが多かった。好中球減少症はCS群で32.3%に対しCF群で63.6%、血小板減少症はCS群で8.3%、CF群で13.5%、白血球減少はCS群が13.7%、CF群が33.2%だった。発熱性好中球減少症または好中球減少性の感染は、CS群が5.0%に対してCF群が14.4%とCS群が有意に少なかった。毒性による死亡も、CS群が2.5%(骨髄抑制に関連したものは0.8%)、CF群が4.9%(2.8%)とCS群の方が有意に少なかった。非血液学的なグレード3以上の毒性も、CS群の方が有意に少ないものが複数あった。

 低カリウム血症はCS群が3.6%に対してCF群は10.8%、口内炎はCS群が1.3%に対してCF群が13.6%、粘膜炎症はCS群が0.8%に対してCF群が8.1%、低リン酸血症はCS群が0.6%に対してCF群が4.5%、低マグネシウム血症はCS群が0.6%に対してCF群が2.6%だった。腎関連事象も、CS群の方がCF群よりも少なかった。肝関連事象でのみCS群の方がCF群よりも有意に多かった。