1つ以上の前治療がうまくいかなかった進行胃癌に対してmTOR阻害剤エベロリムスRAD001、商品名;Afinitor)が有効である可能性が、わが国で行われたフェーズ2臨床試験の結果、明らかとなった。エベロリムスの8週間の投薬で55%の患者で腫瘍の増殖抑制効果が確認された。これを受けて、スイスNovartis社はエベロリムスの進行胃癌500人を対象にしたフェーズ3試験を年内に開始するという。成果は1月15日から17日にサンフランシスコで開催された2009 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)で、国立がんセンター中央病院の山田康秀氏によって発表された。

 フェーズ2臨床試験は日本国内の複数施設でシングルアームのオープンラベル臨床試験として実施された。手術不能、再発、転移性胃癌患者54人にエベロリムスを毎日10mg投与し、安全性と有効性について評価を行った。主要評価項目は疾患制御率(完全奏効、部分奏効、安定状態を合わせたもの)で、副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間、全生存期間、安全性プロファイルだった。

 治療期間の平均日数は57日で、8週時点での疾患制御率は55%(95%信頼区間 40.4-68.4)だった。主要評価項目を評価できた53人のうち29人(55%)が安定状態で、22人(42%が病状が進行し、2人(4%)が不明だった。奏効率は0%で、無増悪生存期間中央値は83日(95%信頼区間 50-91)、4カ月時点で29.6%の患者が無増悪状態と見積もられた。全生存期間中央値はまだ到達していない。

 10%超の頻度で見られた副作用は口内炎、食欲不振、倦怠感、皮疹、吐き気、末梢浮腫、血小板減少症、下痢、掻痒、貧血などだった。3%以上に見出されたグレード3/4の重篤な副作用は、貧血、低ナトリウム血症、肝機能異常、倦怠感、口内炎、食欲不振などだった。