米国Jennerex社および韓国Green Cross社は1月12日、原発性肝癌を標的として攻撃するポックスウイルス、JX-594を用いた第2相臨床試験において、最初の5人の患者に治療を行ったと発表した。重大な毒性は報告されておらず、本試験への患者の登録は続行中である。

 生物学的製剤のJX-594は、がん細胞内のみで増殖し崩壊させる。増殖し複製したJX-594はその後放出され、体内の局所および遠隔部位に残存するがん細胞に感染し根絶させる。正常細胞は、JX-594の影響を受けず、安全性と忍容性にもつながる。

 本試験は、進行性で標準治療に難治性の原発性肝癌患者を対象としている。患者は2種の投与量のいずれかに無作為に割り付けられ、30人の患者を対象とする多国籍試験として、米国、韓国、カナダで実施されている。

 「米国だけでも肝癌を発症する患者は毎年1万人以上に上り、そのような患者の治療を革命的に変える可能性があるJX-594で本試験を開始できることに大変興奮している。欧州、日本およびアジアでも肝癌患者数は多い。治癒の可能性が低い患者に有効な治療法がほとんどないため、患者は大きな未解決のままの医学的ニーズを抱えている」とJennerex社の社長でCEOのDavid H. Kirn氏は説明している。

 Green Cross社の執行副社長、B. G. Rhee氏は次のように話した。「韓国ではすでに4人の患者にJX-594を投与している。私達は、進行した肝癌患者における本剤の有効性を知りたいと切望している」。

 本試験の主な目的は、腫瘍の進行を阻害するうえで2種の異なる投与量でのJX-594の有効性を調べることである。切除不能の原発性肝細胞がんの患者に治療を開始してから8週間後に、modified RECIST基準で効果を測定した。さらに、2種の投与量でJX-594を投与した際の腫瘍縮小効果や無増悪生存率だけでなく、安全性と忍容性も評価していく予定だ。

 またJennerex社は、米国Rex Medical社と提携し、臨床開発においてJX-594の腫瘍内注射を行う際、複数回の穿刺が可能な同社のQuadra-Fuse needles(QF Needles)を全面的に使用することも発表した。Rex Medical社も、JX-594の臨床開発に同社の技術を提供し協力していくとしている。

■Jennerex社のプレスリリース
Jennerex Treats First Patients in Phase 2 JX-594 Trial for Liver Cancer Armed Poxvirus selectively destroys tumor cells