更年期女性を対象に行われた研究から、肥満によるホルモンバランスの変化が卵巣癌発症リスクに関与する可能性が示唆された。研究結果は、2009年1月6日のCANCER誌Online版に掲載された。

 卵巣癌は、進行状態で発見されることが多く、5年生存率は約4割と婦人科系の悪性腫瘍の中でも最も致命的な癌として知られている。これまでも肥満が卵巣癌のリスク因子であることは示されていたが、BMI(体格指数)と卵巣癌の関連性については、ほとんど調べられていなかった。

 同研究は50歳から71歳の米国人女性9万4525人を対象に7年間に及んで行われた。全体の解析では、BMIが30以上の場合、BMIが18.5〜24.9の標準体重に比べて卵巣癌の発症リスクは1.26倍となっていた。一方、更年期のホルモン補充療法を受けたことのない女性に限定すると、BMIが30以上の場合、標準体重の女性と比較して、卵巣癌の発症リスクは1.83倍であった。また、ホルモン治療を受けたことのある女性においては、肥満による卵巣癌の発症リスクの増加は認められなかった。
 
 研究を行った米国立がん研究所(NCI)のMichael F. Leitzmann氏によると、肥満によってホルモンの影響を受けることが卵巣癌のリスクを高める一因かもしれないことが、今回の研究から示されたという。

 女性ホルモンは閉経前では卵巣で作られるが、閉経後には副腎から分泌されるホルモンを基に脂肪細胞で作られるようになる。そのため、閉経後の肥満女性は、エストロゲンの生成が増えるため、卵巣細胞が徐々に成長し、卵巣癌の進行を促すことになるという。

 卵巣癌の家族歴のない女性においても、肥満と卵巣癌のリスクとの関与が判明しており、同研究から卵巣癌の発症に関する重要な情報が示された。