米GTx社は、昨年12月30日、経口選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)のトレミフェン80mgをアンドロゲン遮断療法(ADT)施行中の前立腺癌患者の骨折予防薬として米国食品医薬品局(FDA)に新薬申請したと発表した。

 米国では2008年に推定で18万6000人が新たに前立腺癌と診断された。65歳以上の男性では3人に2人が前立腺癌と診断されている。

 ADT施行中の患者では年間の骨折のリスクは5%から8%となり、閉経後女性の3倍に上る。「ADTは進行性前立腺癌患者の生存期間を改善するが、残念ながら、意図したものではない重篤なエストロゲン欠乏という副作用の原因となると考えられる。エストロゲン欠乏は骨折のリスクを高め生存期間を縮める可能性がある。今回の申請が承認されれば、トレミフェン80mgはADT施行中の患者の骨折予防に対する最初の治療薬となりうる」とGTx社のCEO、Mitchell Steiner氏は述べた。

 欧州におけるトレミフェンに関してはIpsen社がGTx社とライセンス合意しており、本適応でのトレミフェン80mの使用の許諾地域において、2009年に販売申請を行う予定だ。

 今回の申請は、ADT施行中の進行性前立腺癌患者1382人が参加した2年間の第3相二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果により行われた。同試験はADT施行中の患者において実施された骨折予防に関する初の試験であり、FDAの特別なプロトコール評価に基づいた。トレミフェン80mgは、プラセボとの比較による新たな形態的な脊椎骨折の減少という同試験の主要評価項目、ならびにADTの副作用であるエストロゲン欠乏に関連するその他の重要な副次的評価項目に適合した。このような適応でFDAに承認された治療法はないため、GTx社は同薬の優先審査を要請した。

 また、同試験におけるトレミフェン80mgの忍容性は一般的に良好であった。対象の2%以上に発生した、最も頻度が高い有害事象は関節痛、眩暈、背部痛、四肢痛であった。

 トレミフェンは米国など60カ国を超える国々で進行性乳癌の治療薬として販売されている。「第3相ADT臨床試験の安全性のデータは、クエン酸トレミフェンを用いた約48万人の患者年を含む17年のファーマコビジランスのデータベースと一致する」とGTx社でChief Medical Officerを務めるRonald A. Morton氏は話している。