陽電子乳房撮影(PEM)は乳房を画像化する新しい技術だ。乳癌の検査に使われるマンモグラフィとMRIには、乳房密度とホルモン状態の影響を受けやすいという弱点がある。PEMはそのいずれにも影響を受けにくいことが明らかになった。この結果は12月2日に北米放射線学会(RSNA)の年次総会で発表された。

 「PEMの癌検出能は、乳房密度やホルモン補充療法、閉経状態による影響を受けにくい。PEMの感度は乳房MRIに劣らず、特異度は勝っており偽陽性がほとんど出ない」と話すのは、フロリダのCenter for Breast Cancer at Boca Raton Community Hospitalで乳房の画像化と介入を管理し、本試験の筆頭研究者でもあるKathy Schilling氏だ。

 乳癌スクリーニングの標準的なツールであるX線マンモグラフィは、乳房組織の脂肪が少なく腺が多い場合、すなわち乳房密度が高い場合に感度が低下するといわれている。その点乳房MRIは乳房密度が高い場合も感度は落ちにくいが、特異度は問題があり偽陽性となる可能性が高い。研究者らは、このような偽陽性は女性の月経周期で発生するホルモンの変化も一因となっていると考えている。

 「MRIは月経周期の7〜14日に行わないかぎり、読影はきわめて難しい」とSchilling氏は話した。PEMの結果にホルモンは影響しないため、乳癌患者の術前評価およびハイリスク群のスクリーニングのいずれにおいても、PEMは今後重要な役割を果たすことが考えられる。

 Schilling氏らの研究では、208人の乳癌患者にPEMを実施し、189の悪性病変のうちPEMは176病変を検出し、全体の感度は93%であった。内訳は15%が非浸潤性乳管癌(DCIS)、85%が浸潤癌だった。

 PEMによる癌の検出率は、脂肪の多い乳房で100%、乳房密度が高い乳房で93%、特に乳房密度が高い乳房で85%、ホルモン補充療法の治療歴はある場合とない場合の両方とも93%、閉経前の女性で90%、閉経後の女性で94%であった。

 同氏によると、一人で狭い空間に閉じ込められるMRIと異なり、PEMは患者の忍容性も良好だという。「ホルモンの影響でMRIでは解釈が困難な患者、金属などを埋め込んでいる患者、閉所恐怖症の患者に対し、PEMは理想的な方法と言える」とSchilling氏は話している。