B型肝炎ウイルス(HBV)による肝硬変や肝癌への移行を、過剰体重が促進する可能性が示唆された。これは、台湾のNational taiwan Universityの研究者らによるコホート研究の結果。成果は、Clinical Oncology誌の12月1日号に掲載された。

 現在日本では、HBVの感染者は100万人以上いると考えられている。その多くが無症候性キャリアで、病変が進行するのはその約1割程度だ。

 今回の調査は、肝癌を発症していないHBV感染男性2903人を対象を1989年〜1992年に登録し、その後、約15年間の経過を観察した。その結果、134人が肝癌を発症していた。

 肝癌の発症に関連するリスクが、正常体重(BMIが18.5〜24.9)と比較して過剰体重の男性(BMIが25から29.9の間)で1.48倍(95%信頼区間1.04〜1.48)、肥満(BMIが30以上)の男性では1.96倍(95%信頼区間0.72〜5.38)となった。

 また、肝臓に関連する死因リスクは、過体重の男性で1.74倍(95%信頼区間1.15〜2.65)、肥満男性で1.50倍(95%信頼区間0.36〜6.19)となっていた。加えて、脂肪肝や肝硬変とも過剰体重の男性に多い傾向が見られたという。

 そのため研究者達は、HBVの感染から肝癌などの病変への移行に、過剰体重が関与する可能性があると結論している。適正体重の維持は、生活習慣病の予防にも重要だが、HBV感染者の健康管理にも貢献することが示唆されたといえそうだ。