急性リンパ芽球性白血病(ALL)で再発したケースの多くが、診断時には優位でない前駆細胞に関連していることが最新の研究で明らかとなった。米St. Jude Children's Research Hospital の研究者らは、小児のALLで再発を起こす細胞の遺伝子変化パターンを解析した。この研究は、Science誌 11月28日号に掲載された。

 研究者らは、61人のALL患者(B前駆細胞型47人、T前駆細胞型14人)の子供たちの診断時と、治療を受けた後の再発時の骨髄標本からゲノムを比較した。SNP(一塩基変異多型)解析用のアレイを用いて、塩基配列コピー回数の異常とヘテロ接合体の欠損を調べ、全ての染色体を分析した。

 診断時点の標本からは、B前駆細胞型は平均10.8個のコピー回数異常、T前駆細胞型は7.1個のコピー回数異常が見つかった。B前駆細胞型のコピー回数異常の48.9%は、Bリンパ球の分化の調節にかかわることが知られている遺伝子(PAX5、IKZF1、EBF1、RAG1/2など)だった。CDKN2A/B遺伝子の欠損は、B前駆細胞型の36.2%、T前駆細胞型の71.4%に見つかった。

 これが再発時点の標本では、B前駆細胞型のコピー回数異常は14.0個と有意に増えており、遺伝子欠損個所は6.8個から9.2個に有意に増えていた。一方、T前駆細胞型では、診断時と再発時に有意な変化が見られなかった。

 診断時と再発時のコピー回数異常部分をつきあわせてみると、全体の6%は診断時と再発時に共通部分がなかった。そのため再発というよりは、新たに発生した2回目の白血病と考えた方が合理的なケースだった。症例の8%は、診断時と再発時でコピー回数異常部分に違いが見られなかった。一方34%では再発時にはコピー回数異常に変化を起こしていた。

 注目すべきは残りの52%で、再発したクローンは診断時点で優位なクローンではなく、診断がつく前の前駆細胞由来だと考えられた点だ。こうした例では診断時にマイナーなクローンと共通する個所に遺伝子変異があり、再発時には変異がさらに増えていた。

 筆頭執筆者であるCharles Mullinghan 氏は、分析結果について「われわれの研究は、ALL再発患者での論理的な治療ターゲットの同定と新薬の開発にむけて役立つものだ」と述べている。